マネーフォワードは7月15日、オンラインで2025年11月期第2四半期の決算説明会を開催。同社 代表取締役社長 CEOの辻庸介氏が説明を行った。
ビジネスドメインは好調 - 成長を加速
同社では、バックオフィスSaaS(Software as a Service)を軸とした「ビジネスドメイン」、SaaSマーケティング支援を担う「SaaSマーケティングドメイン」、Fintech推進・DX(デジタルトランスフォーメーション)を支援する「Xドメイン」、家計簿アプリなどの「ホームドメイン」の各ドメインで事業を展開している。なお、決済サービスなどの「ファイナンスドメイン」は、2025年1月に発表した2024年11月期の決算説明会でビジネスドメインへの統合を明らかにしている。
まず、辻氏は第2四半期の業績について「通期見通しの達成に向けて、売上高、EBITDA(Earnings before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization:利払い前・税引き前・減価償却前利益)ともに順調に進捗している。物足りなさが正直あるが、昨年と比較するとHIRAC FUNDの売却収入などを鑑みると前年同期比19%増となっている。ビジネスドメインは引き続き好調で成長を加速し、ホームドメイン、Xドメイン、スマートキャンプは売上高の成長率が想定より弱かった」と述べた。
全社における上期連結売上高は前年同期比17%増の232億4000万円、SaaS ARR(Annual Recurring Revenue:年間経常収益)は同(2024年11月期第2四半期)28%増の344億3000万円第2四半期の調整後EBITDAは7億1000万円の黒字化、売上総利益は76億2000万円、ビジネスドメイン法人顧客数純増(SMB/中堅企業)は1万969社、中堅企業向け純増ARRは20億2000万円となった。
ビジネスドメインの第2四半期売上高は前年同期比28%増の83億6900万円、法人ARRは同34%増の269億6000万円、中堅ARRは同52%増の136億7000万円となり、SMB領域における価格改定を6月から実施し、20億円のARRインパクトに向けて順調な滑り出しとなった。法人顧客数は同24.6%増となり、ARPA(Average Revenue Per Account:1アカウントあたりの平均売上)については、中堅企業ユーザーの拡大に伴い同10.5%増となっている。
8月に「マネーフォワード ME」で価格改定
SaaS Marketingドメインの売上高は前年同期比2%減の12億6200万円となったが、BOXILやBizhintなどを要因に前四半期比から増収。「BOXIL EXPO」の売上高は開催数の減少で前年同期比と前四半期比で減収となった。
Xドメインの売上高は前年同期比3%減の7億1700万円となった。金融機関の個人顧客向けバンキングアプリ「BANK APP」は提供開始2年間で総ダウンロード数が40万件を突破し、法人顧客領域では地域金融機関向け法人サービスプラットフォーム「BANK Biz」を発表し、来秋に中国銀行から事業者に提供を開始する。
ホームドメインの売上高は連結対象だったNext Solutionが4月から非連結化となった影響で前年同期比5%減の11億4900万円となり、影響を除いた売上高は同7%増。「マネーフォワード ME」の利用者1730万、課金ユーザーは61万となり、8月にはプレミアムサービス スタンダードコースで価格改定の実施を予定している。
通期の業績見通しは、連結売上高が前年比23.9~30.4%増の495~521億円、SaaS ARRは同30.6~37.2%増の392~412億円、調整後EBITDAは25~45億円。広告宣伝費売上高比率は14.5~16.5%、人件費外注費売上高比率(EBITDAベース)は57.0~62.0%、EBITDAマージンは2024年11月期と比較してプラス1~5%の改善を図る。