マネーフォワードは4月17日、3月11日~3月17日の期間で企業のバックオフィス担当者を対象に「新リース会計基準に関する調査」を実施し、その結果を公表した。調査は、現在の勤務先で「経理部門」「情報システム部門」「総務部門」「法務部門」「経営企画部門」のいずれかに所属する方(個人事業主を除く)660人を対象とした。

約6割が、新リース会計基準について「認識している」と回答

調査結果によると、新リース会計基準について「詳しく理解している」が16.9%、「概要は知っているが、詳細は理解していない」が23.5%、「名前は聞いたことがあるが、内容は知らない」が21.3%と回答し、約6割が程度の差はあるものの、新リース会計基準について認識していることがわかった。

  • 新リース会計基準の認識に関するグラフ

    新リース会計基準の認識に関するグラフ

新リース会計基準の対応状況について「対応準備はおおむね完了した」「現在対応を進めている」の回答が合わせて約半数あり、強制適用は2027年4月1日以降に開始する事業年度からだが、すでに半数近くの企業で対応が進んでいるという。

「対応準備はおおむね完了した」「現在対応を進めている」と回答した人に対応を質問したところ、最も多かった項目は「リース契約の洗い出し・分類・整理」、続いて「新リース会計基準の理解」「会計方針の決定」となり、対応業務の中でも負荷の高いリース契約の洗い出しを優先して行っているようだ。

  • 新リース会計基準対応で優先して実施したこと

    新リース会計基準対応で優先して実施したこと

「現在対応を進めている」「これから対応を検討する予定」と回答した人に、対応完了時期について質問したところ、「2025年中」が26.0%、「2026年上半期中」63.0%と、強制適用に向けて半数以上が早めの対応を進めていると回答し、2026年度の決算から新リース会計基準への対応テストを行い、2027年度の強制適用に備えているとのこと。

リース負債の計算・残高管理の対応は「システムの入れ替え」

また、新リース会計基準への対応について「大きな負担を感じている」「やや負担を感じている」が合わせて約8割と、多くの企業にとって負担になっていることが判明。「大きな負担を感じている」「やや負担を感じている」と回答した人のうち、最も負担を感じる業務は「リース契約の洗い出し・分類・整理」、続いて「新リース会計基準の理解」、「会計方針の決定」となり、多くの企業が対応初期段階の業務において、負担を感じている。

勤務先におけるリース契約の管理方法について質問したところ「全社で統一の電子契約システムで管理している」「電子契約システムで管理しているが部門ごとにバラバラのシステムを利用」「電子契約システムで管理しているものと、紙で管理しているものがある」を合わせて約9割となった。一方、システム利用は進んでいるものの、全社統一のシステムが使われていないことや、紙の残存という課題もあるという。

  • リース契約の管理に関するグラフ

    リース契約の管理に関するグラフ

勤務先が保持するリース契約について、最も多いのは「車両(営業車・トラックなど)」が54.3%、続いて「IT機器(サーバ・PC・ネットワーク機器)」が48.8%、「機械設備・生産設備」45.3%となった。

リース契約情報の管理における課題について、最も多かった回答が「契約書が電子化できておらず、紙で管理している」、続いて「契約情報は表計算ソフトなどの手作業で管理しており、ミスや属人化が発生している」「契約条件の変更や更新情報の把握が困難」と、いずれもアナログな契約管理が原因となっている。

  • リース契約情報の管理における課題

    リース契約情報の管理における課題

今後のリース負債の計算・残高管理の対応について、約4割が「新たにシステムを入れ替えする」と回答したほか、「既存システムで対応する」と回答した企業を合わせると、約8割がシステムを利用して対応すると回答している。