KDDIとNTTドコモビジネス(旧:NTTコミュニケーションズ)は7月15日、石川県の奥能登デジタル地域拠点整備事業推進業務に7月14日に採択されたことを発表した。両社は同月7日に採択通知を受け、「奥能登デジタル地域拠点整備事業」交付決定通知書交付式においても、奥能登4市町(輪島市・珠洲市・穴水町・能登町)の首長ならびに馳浩石川県知事に事業内容を説明した。

  • 4市町首長への説明会

    4市町首長への説明会

事業の背景

令和6年能登半島地震や令和6年奥能登豪雨においては、通信や電力などのインフラが途絶したことで孤立集落が発生し、連絡手段が断たれた被災者が不安な思いを抱えた。自治体では避難所における被災者の情報収集や避難者名簿の作成などを紙で管理していたことから、手作業で行う必要があり、多くの手間や時間を要した。

また、緊急対応策として避難所などに衛星通信サービス「Starlink」が配備されたものの、配備と運用開始までは一定の時間を要したという。

KDDIは2024年10月に石川県と創造的復興の実現に向けた包括連携協定を、NTTドコモグループは2024年11月に石川県と災害からの復興・地域活性のための包括的連携協定を、それぞれ締結している。両社はこれらの協定に基づき、今回の事業でも石川県の「創造的復興」の実現に向けて連携を進める。

事業の概要

同事業ではStarlinkや非常用電源、避難所管理システム、サイネージを奥能登地域の公民館などに常設し、平時や有事を問わずに活用を推進する。平時には地域の交流の場となり、災害など有事の際には避難所となる公民館などの施設を、デジタル技術を活用して構築する。こうした施設を防災・情報発信・交流の拠点としていくことを目指す。

合わせて、避難所における被災者の情報収集や避難者名簿の作成をデジタルで実施できる避難所管理システムも導入し、平時には有事に備えた避難所マップを提供する。

サイネージの稼働においては、平時は市内行事交通情報や自治体からのお知らせを配信し、有事は防災情報や避難所管理システムと連携した必要物資の情報などを発信する。

  • Starlink+避難所管理システム+デジタルサイネージの活用

    Starlink+避難所管理システム+デジタルサイネージの活用