北海道電力は7月1日、泊原子力発電所の再稼働に向けた安全対策工事として建設を進めている「防潮堤設置工事」の様子を報道陣に向けて公開した。

津波対策のための「防潮堤設置工事」

今回報道陣に向けて公開されたのは、防潮堤設置工事の掘削現場、土砂運搬ベルトコンベア、生コンクリート製造設備の3カ所。

最初に公開されたのは、津波対策として泊原発の構内で建設が進んでいる「防潮堤設置工事」の掘削現場。この新しい防潮堤は、高さ海抜19m(岩盤からの高さは20m~40m)、幅は17mから最大30mで、泊原発を囲むように全長約1.2kmにわたって建設されるという。

防潮堤設置工事は現在、土留工事(傾斜地や高低差のある土地で土砂の崩壊を防ぐために行う工事)を終え、埋戻土をバックホウで掘削。テレスコスクラムという重機で地表面まで揚げ、ダンプトラックで搬出を行っている。。

北海道電力の防潮堤設置工事の責任者によると「全体工事の進捗率として4割弱」とのこと。

  • 工事のイメージ

    工事のイメージ

2027年の再稼働を目指す

続いて公開されたのは、泊発電所敷地内にある土砂運搬ベルトコンベアの現場。防潮堤の掘削工事で出た土砂は、泊発電所後背地の標高の高い土捨場まで運搬し盛土する。

運搬の効率性を考え、土砂をベルトコンベアによって途中まで運搬し、そこからはダンプトラックにて土捨場まで運ぶ仕組みを取っており、このベルトコンベアは昼夜稼働しているという。

  • 土砂運搬ベルトコンベアの現場の様子

    土砂運搬ベルトコンベアの現場の様子

最後に、泊発電所敷地外の岩内方面に向かう場所に建設された生コンクリート製造設備が公開された。

防潮堤は岩盤の上に下部コンクリートを打設するため、北海道電力が生コンクリート製造設備を建設し、順次コンクリートを製造・供給していくとのこと。

すでに防潮堤の一部では下部コンクリートの打設が始まっており、現在、2基の製造設備が稼働しているという。

  • 当日の説明の様子

    当日の説明の様子

北海道電力は、泊原発の3号機について、国の原子力規制委員会は新規制基準に適合しているとする審査案をまとめていて、北電は防潮堤完成後の2027年の再稼働を目指す構え。