サービスロボットの社会実装に向けた協業が開始

ロボット開発などを手掛けるVarious RoboticsとAI技術とロボットの導入、活用支援などを行うGMO AI&ロボティクス商事(GMO AIR)は7月9日、先端ロボットソリューションの共同開発ならびに事業化に向けた協業を開始したことを発表した。

少子高齢化に伴う日本の労働力不足が顕在化してきており、その解決策としてロボットやAIの活用が期待されている。日本政府としても産業横断でロボットやAIの活用を後押ししているものの、導入コストや運用ノウハウの不足などにより、サービスロボットの普及率は米国や中国に比べて出遅れていると言われている。

テクノロジーと商社のネットワークの融合で社会課題の解決を目指す

今回の協業は、Various Roboticsが有する「高度なロボットソフトウェア技術」というテクノロジーとGMO AIRが有する「商社ネットワーク・堅牢なITインフラ」という事業基盤を融合させるさせることで、サービスロボットの社会実装を加速させ、こうした社会課題の解決を目指そうというものだという。

  • Various RoboticsとGMO AIRの協業におけるそれぞれの強み

    Various RoboticsとGMO AIRの協業におけるそれぞれの強み (出所:Various Robotics/GMO AIR)

  • 各社のコアテクノロジー

    各社のコアテクノロジー (出所:Various Robotics/GMO AIR)

具体的に協業によって期待される価値創造としては以下の5つが挙げられるとい。

  1. 共同開発イノベーション
  2. ワンストップサービスモデル
  3. セキュリティレベルの高いロボットソリューション
  4. 開発の知見を商社機能へ転用
  5. RaaS(Robot-as-a-Service)化の加速

共同開発イノベーションについて両社は、互いのコアテクノロジーを融合することで、新たな先端ロボットソリューションを開発していくとしているほか、ワンストップサービスモデルについては、企画・PoC、システムインテグレーション、リース・保守・運用まで、一連のバリューチェーンを両社で担い、顧客負荷を最小化するとしている。

セキュリティレベルの高いロボットソリューションについては、GMOインターネットグループが強みとするゼロトラストセキュリティ基盤をロボットソリューションに適用することで、セキュリティレベルの高いロボットソリューションを実現するとしているほか、開発の知見を商社機能へ転用については、現場で蓄積される走行データや故障・保守ログを最適機種選定・運用指標として活用していくとする。

そしてRaaS化の加速については、GMOインターネットグループの金融・決済プラットフォームと連携し、初期投資ゼロで導入できるサブスクリプションモデルの拡充を図っていくことを目指すとしている。

なお、両社は協業の第1弾として、四足歩行ロボットを活用したロボットソリューションの開発を進めていくとしており、今年度については、GMO AIRからVarious Roboticsに対して四足歩行ロボットの提供を行い、農業、およびインフラ領域を中心に、ソリューション開発・PoCを行い、来年度中の商用化を目指すとしているほか、中長期的には四足歩行ロボットに限らず、ヒューマノイドをはじめとするさまざまなロボットを活用したロボットソリューションの開発を模索する方向で連携を深めていくとしている。