電通は7月7日、国内の電通グループ5社(電通、電通デジタル、セプテーニ・ホールディングス、電通総研、イグニション・ポイント)が、AI活用・開発の中核を担うグループ横断組織「dentsu Japan AIセンター」を発足したことを発表した。
AIによる全社横断的な企業変革に向け新センター発足
近年、AIの活用領域は業務効率化にとどまらず、企業経営や組織そのものを変革する存在へと進化しており、多くの企業がその活動の中核にAIを据えて活用する“AIネイティブカンパニー”への移行を加速させている。しかし国内事例の傾向として、AIの導入が部門単位で進められることがあるといい、全社視点での戦略や体制の整備が課題となっているケースも少なくないという。
そうした背景から電通グループは、AIを“企業変革の中核”として位置づけるとともに、経営層・事業部門・管理部門・技術開発部門が一体となって活用を推進する「センター・オブ・エクセレンス(CoE)」の取り組みとして、約1000名規模の専門人材を要するAIセンターを発足したとする。
同センターは、AIに関する技術やデータ、知見を横断的に結集し、グループ全体のAIネイティブ化を牽引する役割を担うとともに、グループ内に限らず、顧客のAI開発・導入・活用の支援も重要なミッションとして位置づけているとのこと。また業務効率化やマーケティング高度化だけでなく、AIエージェントの開発、AIデータインフラの強化、顧客のバリューチェーン全領域におけるAI変革までを視野に入れた包括的な戦略を推進するため、6つの専門ユニットを編成し横断的かつ実践的な活動を展開していくという。
「dentsu Japan AIセンター」の6つの専門ユニット
- AI業務効率化ユニット
- AIマーケティング&クリエイティブ高度化ユニット
- 統合マーケティングAIエージェント開発ユニット
- AI・データインフラ強化ユニット
- AIマーケティングトランスフォーメーション(AIMX)ユニット
- AIトランスフォーメーションユニット
なお電通によると、新センターはグループ内の「dentsu Japan AIガバナンスコミッティ」とも連携し、dentsu Japanの従業員向けに適切なAIサービスの利活用を促す環境整備・支援を行うほか、大学などの研究機関との共同研究の成果を活かす技術開発など、関連各署と密接に連携しながらAIの開発・導入・支援を推進していくとのこと。そして同社グループは、新センターの発足を機にAI活用を通じた企業変革をさらに加速させ、顧客・社会に新たな価値を提供するAIネイティブカンパニーへの進化を目指すとしている。