リコージャパンは7月1日~2日、顧客の価値創出や効率的な働き方を支援するソリューションを紹介するイベント「RICOH Value Presentation 2025」を、東京国際フォーラム(東京都 千代田区)で開催している。今回は6年ぶりにリアル会場での開催だ。

同イベントにおいて、ワークプレイス一元管理ソリューション「RICOH Spaces」を7月14日より提供開始することが発表された。同ソリューションは会議室や駐車場の予約、フリーアドレスのオフィスにおける座席の予約のほか、オフィス使用状況の可視化と分析まで対応することで、スマートで働きやすいオフィス環境の実現を支援する。

  • 「RICOH Value Presentation 2025」会場

    「RICOH Value Presentation 2025」会場

  • 展示ブースはパーソナルジムがテーマ

    展示ブースはパーソナルジムがテーマ

サービス提供開始の背景

コロナ禍でリモートワークやハイブリッドワークの導入が急速に進んだ。しかしコロナ禍が落ち着いたこともあり、出社への回帰の動きも見られるなど、多様な働き方を通じて最大限のパフォーマンスが発揮できる環境作りとそのマネジメントが、企業には求められている。

過去にリコージャパンが開催した説明会でも紹介したように、同社は社員がオフィスで働く際に感じる体験や印象を向上させる「ワークプレイスエクスペリエンス」(以下、WE)事業を強化している。WEを支援するソリューションを提案し、社員のエンゲージメント向上に貢献するという。

  • リコージャパンのWE事業

    リコージャパンのWE事業

「RICOH Spaces」の概要

今回発表した「RICOH Spaces」は、ワークプレイスの統合的な管理と運用を実現する、スペース(空間)マネジメントのデジタルプラットフォーム。

座席や会議室の予約、受付管理の効率化にとどまらず、活用状況をデータで可視化することで、さらに快適で効率の良いオフィスづくりの提案にもつなげる。ハイブリッドワーク時代に求められるオフィスのマネジメントを通じ、新たなWEを提供して社員の創造力発揮を支える。

  • 「RICOH Spaces」のサービスイメージ

    「RICOH Spaces」のサービスイメージ

なお、「RICOH Spaces」はすでに欧州や北米などグローバルで提供を開始している。多言語対応により、海外拠点も含めて統一されたユーザー体験を実現。グローバルに事業展開する企業から、それぞれの国で事業展開する企業まで、広く企業をサポートする。

「RICOH Spaces」の主な機能

ワークプレイス予約機能では、会議室や駐車場、フリーアドレスのオンライン予約が可能。予約済みの会議室が利用されていない場合には、一定時間が経過したら自動でキャンセルされ、他の利用者が予約できるようになる。

  • 「RICOH Spaces」導入の例

    「RICOH Spaces」導入の例

フリーアドレスにおける座席予約では、誰がどの席で業務しているかがフロアマップ上に表示される。在席人員の可視化により、円滑なコミュニケーションや業務の効率的な遂行を支援する。

  • フリーアドレスにおける座席予約機能

    フリーアドレスの座席予約機能

また、来客の受付予約にも対応する。訪問日時や応接場所などを登録して受付予約が完了すると、ゲストに予約情報が送信される。ゲストは来社時に受付端末でチェックインするだけで受付が完了し、担当者へ受付メッセージが自動通知される。

ダッシュボード機能を使えば、オフィス空間の可視化と分析が可能となる。例えば、「利用者指数一覧」では、総予約数や稼働率、ピーク時利用率など利用動向の分析が可能。施設全体の利用状況を把握するとともに、このデータを活用して改善にもつなげられる。

  • 「RICOH Spaces」ダッシュボード機能の例

    「RICOH Spaces」ダッシュボード機能の例

ダッシュボード機能は今後、AIとの連携を含む機能拡充を予定しているという。導入企業の方針や課題に即した改善施策を提案することで、より働きやすいワークプレイスの実現に寄与する機能を検討する。

段階的に機能を拡充予定

「RICOH Spaces」は今後、段階的に機能を拡充する。まずはフェーズ1として、会議室や座席の一元管理と予約確認が可能なプラットフォームを提供開始する。2025年度中に予定されているフェーズ2では、API(Application Programming Interface)連携を含めて他社サービスとの連携機能を強化する。これにより、顔認証システムとの連携による入退館管理や、受付システムの高度化による来訪者対応の無人化も期待できる。

さらに2026年度以降はフェーズ3として、さまざまなデータをダッシュボードで可視化し高度な分析を可能とするプラットフォームを展開する。使用可能なIoT機器、センサーの拡充や、人流データへの対応によって、より高度なオフィス運用と改善を支援する。

  • 今後の機能拡充予定

    今後の機能拡充予定