東大発スタートアップが人型ロボットを開発
東京大学(東大)発のスタートアップであるHighlanders(ハイランダーズ)6月30日、独自開発のヒューマノイドロボット(人型ロボット)「HL Human(エイチエル ヒューマン)」のプロトタイプを公開した。
HL Humanは、19自由度(両腕各4自由度と脚および胴体)の人型ボディと高出力アクチュエータを備えたAI搭載ロボットで、オプションとして予定されている5指ハンドでは、最大3kgの物体を把持することが可能になるという。
また、衝突検知機能と自動制動を備えており、3DステレオカメラとLiDARによる周囲マッピングを活用することで、時速3kmの自律移動とバランス保持を実現したとするほか、人との距離に応じた減速動作で安全性も確保することが可能だとする。加えて、48V給電バスの採用により、吸着ハンド、RGB-Dカメラ、照明などの外部モジュールを簡単に接続することができ、開発者は提供予定のSDK/APIを活用することで機能追加やアプリ連携なども行うことができるようになるとする。
AIの活用で人との対話に基づく行動も可能に
さらに、視覚、言語、行動という3つのモダリティからの情報を統合処理するマルチモーダルモデルであるVision-Language-Action Models(VLA)との統合により、対話型インタフェースによる自然言語処理に対応。具体的な動作についての指示などを理解し、それに即した動きを実行することが可能ともしている。
なお、HL Humanは、2025年9月より実際の現場環境での試用を通じて、消防・災害対応、危険エリア点検、インフラ維持管理などへの導入を想定した「ベータ提供プログラム」を開始予定としており、プログラム参加企業には、同社の技術者による導入支援・フィードバック対応も行い、機能改善につなげていくとする。また、初期プロトタイプについては2025年第4四半期よりパートナー企業向けに「HL Human Early Access Program」として提供を開始する予定とするほか、量産機の発売も2026年から行う予定としている。