パナソニック コネクトは6月24日、対面・オンラインなどさまざまなシーンに対応する新たな本人確認の手段として、公的モバイルID認証サービス「VeriMe(ベリミー)」の提供を今夏中に開始すると発表した。
マイナンバーカード活用拡大を見据え本人確認サービスを開始
パナソニック コネクトはこれまで、公的な身分証明書を用いたソリューションやサービスを広く展開しており、全国7か所の空港で活用中のパスポートと顔認証により出入国資格を確認する「顔認証ゲート」や、医療機関・薬局向けのオンライン資格確認端末「顔認証付きカードリーダー」の提供を通じて、あらゆる業界の安全かつ効率的な本人確認に貢献してきたとする。
また同社は2014年から、デジタルID分野における国際規格の標準化活動にも携わっており、モバイル運転免許証の試験規格の編集はパナソニック コネクトの専門家が担当しているとのこと。このように厳格な本人確認に携わってきた実績や知見を活かし、さらに利便性が高く安全な本人確認の仕組みとして新サービスの提供に至ったとする。
本人確認を必要とする事業者向けのプラットフォームであるVeriMeは、デジタル庁による「iPhoneのマイナンバーカード提供開始の発表」を受け、今後さまざまな公的身分証機能がスマートフォンへ追加されることを見据えて開発されたもの。利用する事業者は、iPhoneのマイナンバーカード情報を安全に読み取り活用する仕組みを、簡単かつ素早く開発することが可能だとする。
同プラットフォームの強みとして、事業者における既存システムやサービスに組み込むことで実装可能なSDKであり、簡単に実装できる点があるという。パナソニック コネクトのSDKは、スマートフォンへのマイナンバーカードの追加に関するmdoc data modelの規格に準拠しており、開発コストや工数を低減できるとのこと。また自社でシステム全体を開発するのに比べ、バージョンアップや仕様変更に関わる対応工数も軽減できるとした。
さらにVeriMeでは、システム管理者向けのポータル画面も提供され、アプリや機器の管理、本人確認履歴やログの参照が可能になることで、利用状況の分析や問題発生時の迅速な対応が可能になるとする。なお同社は、本人確認のビジネスで培われた知見を活かして、今後も管理者が求める情報や機能を拡大していくとしている。
そして、VeriMeでは、パナソニック コネクトが提供する顔認証クラウドサービス(KPASクラウド)などと組み合わせることで、iPhoneのマイナンバーカードによる身元確認、および顔認証による当人認証を一連の流れでシームレスに提供可能だという。
同社はVeriMeの活用が期待されるシチュエーションとして、金融機関での口座開設や行政手続き、ショッピング中の年齢確認やチケット購入など、対面・オンラインを問わずさまざまなシーンを挙げる。そしてユーザーにとっては、身分証の形態や利用時のパスワード入力などが不要となり、スマートフォン1つで本人確認が完結するため、スピーディーでセキュリティ性の高い本人確認を実現し、ユーザーの利便性を大幅に向上させるとした。また事業者にとっても、本人確認に関わるコストや業務量が軽減されるほか、スタッフが本人確認を行う際の精神的な負荷の軽減にもつながるとしている。
なお今後は、対応OSの拡充や管理者向けポータル機能の強化を行うなど、継続的なアップデートを予定しているとのこと。またさまざまな分野でサービスを提供するSIerやSaaS事業者とのパートナー連携を強化し、事業者やユーザーにとってより使いやすい仕組みを構築していくとした。