元AppleデザイナーのJony Ive(ジョニー・アイブ)氏とOpenAIの大型提携に関する動画や資料が、突如削除された。両社は商標争いが影響していると認めている。
商標争いのために資料を削除
「iPhone」「iMac」など数々のApple製品のデザインを手がけたアイブ氏が共同設立したスタートアップのioをOpenAIが買収すると発表したのは5月21日のことだ。また、アイブ氏とOpenAI CEOのSam Altman(サム・アルトマン)氏が仲良く収まった写真や対談の動画が公開された。
報道によると6月22日、これらの素材が削除されたという。両社の広報担当は「一般向けに公開している資料は、商標争いのために削除した」と回答しているとのこと。Bloombergは6月18日付で、同様の名前を持つiyOが最近起こした訴訟により、裁判官がOpenAIによる「IO」名の使用を禁止することを検討していると報じていた。
なお、iyOはAlphabet XのMoonshot Factoryから生まれた企業で、最初に発表した製品は生成AI搭載イヤホンだ。Bloombergの報道では、iyOはOpenAIに対して起こした商標権侵害訴訟で、消費者の混乱を招いている可能性があると主張しているという。
原稿執筆時、OpenAIのWebサイトでは以下のようなコメントが出されている。
「このページは、『io』という名称の使用に関するiyOからの商標権侵害の申し立てを受けた裁判所の命令により、一時的に停止しています。私たちはこの申し立てに同意しておらず、選択肢を検討しています」
Bloombergによると、OpenAIはこの件がioとの取引に影響することはないと述べているといるほか、アイブ氏の広報担当者は日曜日に「これはまったく根拠のないクレームであり、われわれは徹底的に争う」と述べたという。