NECは6月3日、サイバー犯罪捜査における実践的なサイバーセキュリティ対応能力の向上を目的として、警視庁および兵庫県警察から2人のサイバー犯罪捜査官をセキュリティ専門組織に受け入れ、高度なセキュリティ人材育成プログラムを提供することを発表した。
取り組みの概要
具体的には、同社のトップセキュリティ人材育成研修である「NEC Cyber Security Analyst研修」と実際の業務を通したOJD(On Job Development)を組み合わせたプログラムを、警視庁の捜査官向けには2025年6月から2026年3月まで、兵庫県警察の捜査官向けには2025年6月から9月まで提供する。
高度なトレーニング受講に向けた基本研修は2025年4月から5月の期間で実施したという。
これにより、複雑化・高度化するサイバー攻撃の脅威に対応するため、民間企業側で実施するサイバーインテリジェンス技術、ペネトレーションテスト技術、デジタルフォレンジック技術について、実践を通して学ぶ機会を提供する。
プログラムで習得する主な技術
今回提供されるプログラムでは、サイバー攻撃に係る情報を収集分析し意思決定や対策に活用できる情報を生成する技術である「サイバーインテリジェンス技術」、システム構成や目的に応じたテストシナリオを設定し攻撃目標の達成可否を評価する技術である「ペネトレーションテスト技術」、インシデント発生時にデジタル機器から証拠となるデータを収集・解析する技術である「デジタルフォレンジック技術」の習得が期待できるとのこと。
NECは、官民での人材交流を高める取り組みを積極的に行っており、今後も、専門技術に精通したサイバーセキュリティ人材によるサイバー犯罪捜査への協力に加え、実践的な育成プログラムの提供による人材育成支援を通して、安全・安心な社会の実現に貢献していきたい考え。