Helpfeelは6月3日、全国の地方銀行とAIを活用した業務変革や地方活性化を目指す共創型の取り組みとして、「地銀AIコミュニティ」を発足したことを発表した。足利銀行、伊予銀行、北陸銀行、北海道銀行の4行がすでに賛同しており、AIを活用した地方銀行のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に向けた取り組みを進めているという。

  • Helpfeel地銀AIコミュニティの概要図

    Helpfeel地銀AIコミュニティの概要図

Helpfeel地銀AIコミュニティの全体像

Helpfeel地銀AIコミュニティは、各行の垣根を超えて学び合い、AI活用による地方銀行の業務改革を進めて地域社会の活性化を実現することを目的に設立された。参加資格は第一地方銀行または第二地方銀行に所属する行員。参加費用は無料。

コミュニティでは、Helpfeelの新技術に関する無償トライアルや業界動向・活用事例の共有セミナーの開催に加え、行内ヘルプデスクやFAQ、金融事務の分析結果をもとにしたテンプレートの共有が可能な「地銀AIプラットフォーム」の展開などを通じて、持続可能な地域金融を目指す。

Helpfeel地銀AIコミュニティ発足の背景

近年は多くの地方銀行が人材不足を課題としている。少子高齢化に加えて若年層の都市部志向が進む中で、地方銀行における人材難はますます深刻化している。さらに金融業界特有の複雑なシステムや業務フローも生産性向上の妨げとなっており、限られた人員で多岐にわたる業務を的確に遂行するために業務改革が求められている。

こうした課題に対し、業務効率化やナレッジ共有、顧客対応の高度化といったさまざまな領域において、AI技術の活用が注目されている。地方経済の中核を担う地方銀行にとって、AIの導入は業務改革だけでなく地域全体のデジタルリテラシー向上にも寄与すると期待される。

カスタマーサービスやヘルプデスク領域を支援するAIソリューションや、ナレッジの創造と整理を促進するサービスを手掛けるHelpfeelは、同社が持つAI技術の知見を地方銀行に共有するとともに、各行の事例やノウハウを相互に学び合える場として「地銀AIコミュニティ」を発足。これにより、AIの力を最大限に生かして、地方銀行、ひいては地域社会全体の活性化に寄与するとしている。