富士通は6月2日、2025年6月に創立90周年を迎えるにあたり、川崎市と連携して「Fujitsu Technology Park」の再開発プロジェクトを開始することを発表した。このプロジェクトは「Open Innovation&Technology Park」をコンセプトとして、自治体や地域社会、研究・教育機関をはじめさまざまなステークホルダーをつなぎ、4つの「まち」をテーマにした敷地内の再開発を進める。これにより、マテリアリティ(重要課題)への取り組みやイノベーションが創発される地域に開かれたまちづくりを推進する。
Fujitsu Technology Parkは創業の精神を継承しつつ、最先端のテクノロジーの実証実験や環境への取り組み、スポーツ・健康の体験価値の提供などのエリアを段階的に拡充。富士通が創立100周年を迎える2035年に向けて再開発を進める。
再開発プロジェクトの経緯
同社創立当初からの主要拠点である川崎工場(現Fujitsu Technology Park)では、研究開発の主要拠点に相応しい環境に整備していくため、2011年に再開発計画を開始した。しかし2015年に計画見直しのため一時中断しており、現在は老朽化した建物の解体などを進めている。
同社はその間、創業の地である川崎市の持続可能な未来都市実現に向けた取り組みなどを推進し、市との連携を強化してきた。また、2024年度上期には研究開発機能やコーポレート機能をFujitsu Technology Parkに集約し、本社機能を移転している。
2025年1月には、量子コンピューティングの研究開発戦略の一環として1000量子ビットの超伝導量子コンピュータ展示施設となる量子棟の建設を開始。2026年度完成予定。
再開発プロジェクトのコンセプト
プロジェクトは「Open Innovation&Technology Park」をコンセプトとし、「豊かな環境を創造するまち」「テクノロジーで社会をひらきつながるまち」「スポーツ、健康を中心に心身が満たされるまち」「創業の精神が息づくまち」の4つのまちをテーマにした敷地内の再開発を段階的に推進する。
Step1では敷地北西にFujitsu Sportsの新たな体験価値を提供するエリアを設け、体育館棟Fujitsu Arena(仮称)を新設。テクノロジーやデータの活用によって誰もがスポーツを楽しめるエリアにするとともに、社内イベントや災害発生時の近隣住民向けの一時避難場所としても利用可能な複合用途施設を計画しているという。
Step2ではFujitsu Technology Parkのゲートウェイとして、顧客、社会、地域と富士通をつなぐ多目的施設の新設とともに、敷地駅側の広場の整備を予定している。この施設はFujitsu Museumをはじめ、地域に開かれた空間としてさまざまな人々が集いテクノロジーに触れて感動し、創造性と探求心を育み、新たなイノベーションの創出に寄与することを目指す。