富士通の特例子会社(法律に基づき一定の条件を満たすことで親会社と合わせて障がい者の雇用率を算定できる子会社)である富士通ハーモニーは5月30日、「ハーモニーカフェ Tajima」として特別支援学校である川崎市立田島支援学校に併設されたベーカリーおよび喫茶(ベーカリーカフェ)を6月2日より営業開始することを発表した。

ハーモニーカフェ Tajimaの概要

ハーモニーカフェ Tajimaの事業内容は、パンの製造と販売やコーヒーなどドリンクの提供。商品の開発にあたっては、栄養士の指導の下で栄養や健康、食育を考えた商品開発を実施するという。また、田島支援学校と連携し生徒への職場実習などもを実施する。

営業日は月曜日~金曜日。土曜日、日曜日、祝日およびお盆、年末年始は休業。営業時間は10時~15時。川崎市営バスJR川崎駅より、川40系統 鋼管通3丁目下車、徒歩3分。または臨港バスJR川崎駅より、川24系統「鋼管循環」鋼管通2丁目下車、徒歩5分。

ベーカリーカフェ開設の背景

富士通は障がいがある人にも働きやすい職場を継続して提供するため、特例子会社として富士通ハーモニーを2013年に設立した。富士通ハーモニーでは組織ビジョンを「一人ひとりが持ち味を発揮して社会に貢献し、働く幸せを実感できる企業」であり続けることと定めている。

2024年には富士通グループの事業所内において、障がいがある社員がスタッフとして働く「ハーモニーカフェ」を「ダイバーシティ・サステナビリティ・ウェルビーイング」を基本コンセプトとして運営開始した。

同社は障がいがある社員の活躍が会社のありたい姿、ひいてはパーパスの実現につながることを示した「障がい者活躍ストーリー」を2025年に策定し、責任あるテクノロジーカンパニーとして障がい者インクルージョンに取り組んでいる。

田島支援学校では2014年に校舎の建て替えなど学校の再整備にあたって、ベーカリーカフェを併設。公募により選定された民間事業者が障がい者就労による運営を行い、地域にもオープンな場とすることで学校と地域との交流を深め、地域の障がい者理解の促進を図っている。さらに、田島支援学校の生徒の職場実習を行い、生徒たちの就労意欲の向上につなげてきた。

そうした中、ベーカリーカフェの新たな運営事業者を募るために2024年12月から2025年1月に行われた「川崎市立田島支援学校喫茶室及び調理室運営事業者選定に係る公募」に富士通ハーモニーが応募し、2025年2月に運営事業者として川崎市に選定された。

「ハーモニーカフェ Tajima」の運営により、富士通ハーモニーは障がいがある社員に対してパンの製造や販売など幅広い職の選択肢を提供できるようになる。ベーカリーカフェ内では田島支援学校の生徒の職場実習を受け入れ、生徒の健やかな学びの場を提供する。さらに、学校と地域の方の交流を深める場として地域の障がい者理解を促進し、地域の活性化にも貢献する。