MicrosoftのエンジニアであるRaymond Chen氏はこのほど、「Why does Windows report my processor speed twice, with slightly different values?」において、Windowsの「設定」アプリがプロセッサの速度を2つ表示し、しかも数値がわずかに異なる理由について解説した。
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Why does Windows report my processor speed twice, with slightly different values? - The Old New Thing
1つ目の値はブランド文字列の一部
Windows 11の設定アプリでは、「システム」→「バージョン情報」ページにある「デバイスの仕様」セクションでプロセッサやメモリ容量などの情報を確認することができる。このうち、プロセッサの欄にはクロック周波数の情報も含まれているが、デバイスによっては「Intel(R) Core(TM) i7-4790 CPU @ 3.60GHz 3.71GHz」といったように、2つの異なる数値が並んで表示されることがある。
Chen氏によると、この表示のうち最初の「@ 3.60GHz」は、CPUのブランド文字列に含まれる情報であり、メーカーがCPUを動作させる際に想定した速度になっている。したがってこの値は変化せず、実際の動作速度を表していない可能性がある。CPUのブランド文字列は、CPUID命令の特定のコード(0x80000002~0x80000004)を使用して取得できる。
2つ目の値はWindowsが計算したCPUの動作速度
一方、後ろに表示される「3.71GHz」は、Windowsが独自に計算したCPUの動作速度である。これは、システムが現在のクロック周波数を推定して表示している。
このように、ブランド文字列と実際の動作速度が異なる理由としてはオーバークロックが考えられるという。例えば、3.60GHzのCPUが3.71GHzで動作している場合、約3%のオーバークロックが行われている可能性がある。
一般ユーザーは気にならないかもしれないが、正確なベンチマークを必要とする開発者やシステム管理者は、このようなハードウェア詳細情報の表示について理解しておくといいだろう。