田沼豪・GOファンド代表取締役の 「人生の転機」【高校中退】

当社は「運用者の顔が見えるファンド」を標榜し、私がファンドマネージャーを務め、少額から投資できるファンド「GOファンド」を運営しています。

 これまで日本は預貯金信仰が根強く、金融資産の15%ほどしか投資に回していない状況が続いてきました。それが2024年の「新NISA」のスタートで変わり始めています。日本における数少ない成長産業が資産運用業界だと考えており、その点では当社に追い風が吹いています。

 足元でマーケットが乱高下していますが、この2年は米国の株価は上がり過ぎた面がありました。長期的には上昇が続くと見ていますが、どこかで下落すると見られていたところ、トランプ政権の関税政策がトリガーとなった形です。

 当社のファンドは債券をメインに運用しており、株価下落の影響も受けますが、年初来でもプラスリターンを獲得しています。富裕層になればなるほど、株式だけでなく債券にも分散しており、当社はそのソリューションを提供していることで存在感を示せていると考えています。

 日本に約6000個のファンドがある中で、ファンドマネージャーを開示しているのは2%しかなく、諸外国に比べても非常に低い数字です。その中で私が顔を出すことで透明性を担保しています。さらにまだ30代ですから、今後10年、20年と資産形成に伴走できることも差別化につながっています。

 人生の転機は高校中退です。学生時代から人と同じことをするのが好きでなく、合理的に正しいと思ったことを自分のペースでやりたい性分でした。そこで自分で勉強して、大検(現高卒認定試験)を受けて大学に行こうと考え、高校中退しました。

 ただ、私の実家が90年近く続く寿司屋で、地元では知られていたこともあり、「高校中退=人生の落伍者」のように噂されるようになりました。また、両親は理解してくれましたが、親戚の中でも、私をいない者として扱う人がいたことは、当時17歳の私にとってショックでした。

 同時に、様々な意味で「落ちた」自分を応援してくれたり、離れない人は本当の仲間だということも実感できました。

 この時、どの大学を出て、どの会社に入ったかではなく、田沼豪として能力を上げ「強い個人」になろうと考えたのが、実力主義である投資の世界に足を踏み入れた動機です。

 今後も私を信じて下さる方に対する資産運用のソリューションとして、10年後も今日と変わらないサービスを提供し続けていたいと思っています。