【トランプ・ショック】日本の交渉カードに「コメ」  外食各社で米国産のコメ使用へ

 我々の食費はどこまで上がり続けるのだろうか――。米国の追加関税策でインフレが進むと、飼料や小麦の価格が上がり、それらを大量に輸入している日本では、食品の高騰は避けられなくなる。その中で日本側の交渉カードとして「コメ」が差し出されようとしている。

 米国産のコメ輸入において無関税枠で輸入されるミニマムアクセス米の枠を拡大、家畜の飼料となるトウモロコシや大豆の輸入拡大案が浮上。米国産のコメが安価で輸入されれば、現在コメ不足の日本では消費者がそちらに流れる可能性も高い。

 既に物価高を加味して外食企業では米国産のカルローズ米に切り替えている企業も多い。国内のコメ不足、原料高により価格転嫁とコスト削減を進める中で、コメをアメリカ産に切り替える動きは活発だ。

 牛丼チェーンの『吉野家』では米国産のカルローズ米と国産米のブレンド、『松屋』では100%米国産カルローズ米使用に移行、国産米の使用を継続するのは『すき家』のみ。コロワイドが運営する焼肉『牛角』、『しゃぶしゃぶ温野菜』でも今年2月からお米がメインでない業態で米国産米を使用しはじめている。

 カルローズ米を使用する外食企業関係者は「国内にコメがとにかくないので、外国産米を使わざるを得ない状況」と話す。日本では供給を上回る需要がある中で、中長期的にコメ価格が安定するような体制の見直しが急務となっている。