インターネットイニシアティブ(IIJ)は5月8日、千葉県白井市で運用しているデータセンター「白井データセンターキャンパス」に3期棟を増設すると発表した。3期棟は2025年6月1日に着工し、2026年度中の運用開始が予定されている。

3期棟増設の背景

同データセンターは、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展、AIやIoTの本格普及による大規模なデジタルデータ処理のニーズに対応できるデータセンターとして、2019年5月に1期棟の稼働を開始した。

2023年7月からは、クラウド・データセンター事業者、コンテンツ事業者などのコロケーション需要などに対応するための2期棟の運用を開始し、2026年中に2期棟が満床になる見込み。

これをうけ、拡大する自社サービス・ソリューション向けの設備増強を主な目的として3期棟を増設する。

  • 「白井データセンターキャンパス」3期棟のイメージ

3期棟の特徴

3期棟は、AI用途のGPU搭載サーバなど発熱量が高いIT機器の利用を見据え、DLC(Direct Liquid Cooling)に代表される水冷方式に必要な専用熱源の設置スペース、熱源からサーバ室内までの冷水配管ルートを確保するなど、水冷に適した設計を採用している。

冷水機器を実装したサーバラックは大型で、給電のための空間もより多く必要であること、さらに空冷能力の増強も必要とされることから、状況に応じてラックの立架位置とサーバ室内の天井開口位置を柔軟に変更ができる「フレキシブル天井」を採用している。

3期棟内に設けられるサーバ室や電気室は、構造的に求められる荷重や階高が異なるが、エリアをゾーニングした上で、ゾーンごとに適した構造計画を適用させるハイブリッド構造を採用している。