
当社は「ITフリーランス」と企業の橋渡しをする企業として、エージェント、派遣、紹介の他、関連セミナーの開催や福利厚生事業も手掛けています。
働き方が多様化する中、日本におけるITフリーランスは増加を続けており、ある調査では2024年末で約30万人いると言われています。この数年で増加傾向は加速しており、28年には40万人に達するという推計があります。
これまで、我々もITフリーランスの認知向上に取り組んできましたが、企業側も、人材に関して様々な提案を受ける中の選択肢の1つとして、ITフリーランスを認知してきています。
そんな中、2024年11月、フリーランスの労働環境を保護することを目的とする「フリーランス新法」が施行されました。当社で言えば、すでに法律をさらに深掘りした形で対応しており、施行前後で何かが変わるということはありません。
世の中全般で言えば、法施行以前は発注のキャンセルや、支払いの遅延など、一部の発注者から軽く扱われていたところから、保護が強化されていますから、フリーランスとして働く上での障壁が下がったのではないかと思います。
企業側がフリーランスの活用を考えた時に、直接取引はかなり大変です。例えば100人のフリーランスがいれば、100社と契約するのと同じことだからです。そこに当社のようなエージェントの存在理由があります。
さらに言えば、当社は契約手数料、ITフリーランスの取り分などを明示しているため、企業にとっては費用対効果が「見える化」されています。一方で、一部のエージェントでは手数料などがブラックボックス化されているため、ITフリーランスの適正価格、市場価値が見えづらくなっています。
この違いは当社が「組合」からスタートしたことに理由があるのではないかと考えています。フリーランスと共同で仕事を受注するために手数料などを明確化してきたことが、いま功を奏しています。
しかも、仕組みは時代に合わせてブラッシュアップを続けていますし、当社と契約しているITフリーランスと、当社の営業担当者は「対等」の立場に立って仕事をしています。
これからITフリーランス側になろうという方々にとって、乗り越えるべき課題があります。それは「生成AI」の登場で、仕事において求められることの質が高まってきています。
また、日本企業の多くは、正社員だけにしか、会社の機密情報を扱うといった重い仕事を担わせない傾向が強くあります。そのため今、若年層のITフリーランスが増加していますが、そのキャリア形成の進捗が停滞するケースも出てきています。
一般的に、企業に所属しているエンジニアは、その働きが認められた後にはプロジェクトの総責任者としてシステム開発の企画立案や予算・人員の管理を担うプロジェクトマネージャー(PM)に昇進していくというのがキャリア形成の形です。
当社にとってITフリーランスが、PM的な経験を積むことができる仕事を紹介するのも重要な役割です。時には、一旦企業の中で経験を積んで、再びフリーランスになるという道をアドバイスすることもあります。
今後を見通すと、単にプログラムが書けるだけだったり、何でもできるといった人ではなく、ある「業務」に深く精通した専門性が求められます。当社は今後もITフリーランスに伴走する存在であり続けます。