KDDIと沖縄セルラーは5月7日、衛星とスマートフォンの直接通信サービス「au Starlink Direct」について、UQ mobile、povo、および他社回線のユーザー向けに提供開始することを発表し、記者説明会を開いた。利用料金は月額1650円。6月30日までの加入で、6カ月間無料で利用可能。
両社が4月10日に提供を開始した「au Starlink Direct」は、既存のau周波数を活用してスマートフォンが直接通信対応のStarlink衛星とつながり、空が見える状況であれば圏外エリアでも通信を可能とするサービス。
auブランド以外のUQ mobileまたはpovo、および他社回線のユーザーは、au取扱店またはau Online Shopで申し込みをすることで利用を開始できる。au Starlink Direct専用のSIM / eSIMとして提供する。
KDDI松田社長「au Starlink DirectはGWに入って利用者がグッと伸びた」
説明会には、4月に新社長に就任した松田浩路氏が登場。「日本のお客様に1年後でも2年後でもなく今すぐにお届けしたいという強い思いから(au Starlink Directの)実現に至り、個人だけでなく法人のお客様からも好評をいただいている」と振り返った。
au Starlink Directのサービス開始から約1カ月が経過したが、松田氏は「当初は1日当たりの利用者数千人程度だったが、ゴールデンウィークに入ってグッと伸び、1日当たり4万人近くの人が利用するまでになっている」と紹介した。
また、松田氏は「私たちは通信そのものが持つ力を信じ、価値として作り上げてきた。お客様にとって価値あるサービスを作り届け続ける、そしてその価値に見合った対価をいただく。これからのAI時代におけるトラフィックの爆発的な増加にも、引き続きつながりやすさを提供し続けることが私たちの使命と考えている」と述べた。
au Starlink Directは法人ユースケースも拡大
松田氏の説明にもある通り、au Starlink Directは法人からの反響も大きいという。これまでに製造業や建設業、金融、メディアなど、幅広い業種から問い合わせがあったとのことだ。
代表的な要望は災害時の安否確認をはじめとする災害危機管理、山間部や水力発電所など不感知エリアにおける連絡手段、ケーブルの敷設が困難なエリアにおける監視や観測を目的とするDX(デジタルトランスフォーメーション)、IoTの活用などだ。
今回、au Starlink Directの対象をauブランド以外へ拡大したことで、UQ mobile、povo、および他キャリア回線のユーザーも、SMSやiMessageによるテキストメッセージ送受信、テキストメッセージアプリを経由した現在地の位置情報共有、緊急地震速報 / 津波警報 / 国民保護情報(Jアラート)受信などが可能となった。AndroidスマートフォンではGeminiによる調べものも可能だ。
au Starlink Direct専用のSIM / eSIMでは、auの4G LTEエリアで利用可能な1ギガバイト分のデータ通信も提供する。
また、KDDIはau Starlink Directの利用ログをプロットした地図やユースケースを紹介する専用Webサイトを6月3日にオープンする予定だ。