Microsoftは5月2日(現地時間)、Windows 10サポートページの「既知の問題」セクションを更新し、スタートメニューのジャンプリストが表示されない問題について報告した。この問題は、2月25日以降にリリースされた更新プログラムをインストールされたデバイスで確認されていたが、Microsoftは4月25日にサービス変更で修正を実施し、再起動後に自動的に解決すると説明した。

  • Windows 10、version 22H2 known issues and notifications|Microsoft Learn

    Windows 10, version 22H2 known issues and notifications|Microsoft Learn

Windows 10のジャンプリストとは

Windows 10のスタートメニューには、Windows 11のスタートメニューよりも豊富な機能を持つライブタイルが採用されている。その一つが右クリックメニューのジャンプリストで、アプリを右クリックすると、タイルのピン留めやサイズ変更などのメニューと並んで、「最近使ったファイル」セクションにそのアプリで最近開いたファイルが表示される。このジャンプリストは、タスクバーにピン留めされたアプリを右クリックして表示することもできる。

このジャンプリストが、最近のリリースによって機能しなくなっていた。4月22日にWindows Latestがこの現象について報告したが、その時点では意図的な機能変更なのか、それとも不具合なのかは、はっきりしていなかった(関連記事:Windows 10のスタートメニューからジャンプリストが消えた | TECH+(テックプラス))。

原因は「Microsoftアカウント統合」のバックポート

問題の原因は、Windows 11からバックポートされた「Microsoftアカウント制御エクスペリエンス」の統合だという。この新機能は、スタートメニューから直接Microsoftアカウントを管理できるようにするものだが、結果としてジャンプリストの表示が消失する不具合を引き起こした。

具体的には、2025年2月25日リリースのKB5052077以降の更新プログラムが影響を及ぼし、特に4月のKB5055518やKB5055612などの更新プログラムを適用した多くのユーザーが問題を報告している。

Microsoftはこの問題を既知の不具合として認識し、2025年4月25日にサービス変更を実施。スタートメニューのUI変更をロールバックすることでジャンプリスト機能を復旧した。この修正は自動で適用されるため、インターネットに接続されたデバイスでは、再起動後に自動的に問題が解消されるとのこと。

ジャンプリストのような長年利用されてきた機能が予期せず機能しなくなったことは、多くのユーザーに混乱を招いた。Windows 10のサポート終了が近づく中で、Microsoftは新機能の導入に対して慎重さを欠いたと言わざるを得ないだろう。このような突然の変更は、ユーザーからの信頼を著しく損ないかねない。MicrosoftがWindows 11への移行を促進したいのであれば、ユーザーの利便性と信頼に一層配慮した対応が必要だろう。