Neowinは5月2日(現地時間)、「Free app based on official Microsoft tech saves huge Windows space with no performance loss」において、Windows向けの圧縮ツール「CompactGUI」を紹介した。

これはWindowsに標準搭載されている「compact.exe」をベースにした圧縮ツールで、ファイルやフォルダをパフォーマンスを損なわずに透過的に圧縮できる。

  • Windows標準の圧縮技術をベースにした「CompactGUI」

    Windows標準の圧縮技術をベースにした「CompactGUI」

Compact.exe をベースとしたGUIアプリ

Windows 10および11には、「compact.exe」というMicrosoft独自の圧縮・解凍ツールが付属している。これは、NTFSファイルシステム上のファイルやフォルダーを圧縮し、実行時に自動的に解凍することができるツールで、コマンドラインベースで使用することができる。よく使用されるZIP圧縮ファイルなどとは異なり、圧縮後のファイルもユーザーが自分で解凍することなく使用を続けられる点が大きな特徴。

「CompactGUI」は、この compact.exe をベースとしたGUIアプリケーションである。開発者によれば、CompactGUIでファイル・フォルダを圧縮した場合、ディスク容量を大幅に節約できる上に、パフォーマンスへの影響は非常に小さいという。特に小容量のSSDではより顕著にその効果を実感できるとのこと。

CompactGUIは次のGitHubリポジトリーで公開されている。

「ARK」や「Photoshop」を50%縮小

開発者は、このツールの用途として、ゲームのサイズの縮小、プログラムのサイズの縮小、そしてPC上のフォルダーの圧縮を挙げている。実際の圧縮の例として、ゲーム「ARK: Survival Evolved」は169GBから91.2GBへ、「Adobe Photoshop」は1.71GBから886MBへと、それぞれ約50%の圧縮に成功しているとのこと。また、XDAのテストでは、「Baldur's Gate 3」や「Counter-Strike 2」などのゲームでも、圧縮後のパフォーマンス低下は見られなかったという。

圧縮アルゴリズムとしては次の4つが選択できる。デフォルトはバランスに優れたXPRESS8Kが選択されている。LZXはオーバーヘッドが大きいため、CPUが適度に強力な場合か、プログラムやゲームが古い場合にのみ使うようにという注意書きがある。

  • XPRESS4K: 最も高速だが、最も圧縮率が低い
  • XPRESS8K: 速度と圧縮のバランスが良い
  • XPRESS16K: 速度は遅いが、圧縮率が高い
  • LZX: 最も速度が遅いが、最も圧縮率が高い

Windows 11における注意点

圧縮技術の詳細はMicrosoftによる次のサポートページで解説されている。

なお、Windows 11でDirectStorageを利用するゲームではCompactGUIは使用できないので注意が必要。CompactGUIでは圧縮されたファイルの解凍にCPUを使用するが、DirectStorageではCPUを経由せずにSSDから直接アセットをロードするため、CPUの処理をスキップしてしまうからである。

CompactGUIは、特に大容量ゲームやアプリケーションを多くインストールしているユーザーにとって、ディスク容量を有効活用するための有力なツールとなる。​無料で利用できるため、試してみる価値は高い。