ソフトバンクは4月22日、5G(第5世代移動通信システム)サービスにおける「HPUE(High Power User Equipment)」の導入を開始したことを発表した。
5Gサービスで利用される高周波数帯の電波は、高速・大容量の通信が可能である一方で、空間や遮蔽物による減衰が大きいことから、基地局から離れた場所などで、上り通信が不安定になったり通信速度が低下したりするなど、課題が残されていた。こうした状況を受け、上り通信の安定性向上や効率的なサービスエリア展開を目的として、2024年9月には電波関連法令の整備が行われ、5Gサービスにおいて端末を高出力化する“HPUE”の導入が可能になったという。
このHPUEは、ホームルーターやスマートフォンなどの端末の送信電力を高出力化する技術で、基地局から離れた場所でも安定した上り通信を実現することで、サービスエリアの拡大につながると。ソフトバンクは2025年4月中旬より、同社が提供するホームルーター「Airターミナル6」を対象に、順次ソフトウェアアップデートを通じてHPUEを導入。最大送信電力を23dBm(200mW)から26~29dBm(400~800W)にまで向上させ、サービスエリアの橋など電波が届きにくい場所でも、より安定した上り通信を利用可能にしたとする。
なお同社によると、このHPUE導入にかかるソフトウェアアップデートは自動で行われるため、利用者側での作業などは必要ないとのこと。また今後はこの導入をスマートフォンやタブレットなどにも拡大する予定だといい、今後も最新技術を活用した5Gサービスにおける通信品質の向上を目指し、顧客満足度向上に向けた取り組みを進めていくとしている。