UiPathは4月16日、エージェンティックオートメーション製品に関する説明会を開催した。同日、AIエージェント、ロボット、人をオーケストレーションする「Agentic Orchestration」、ドキュメント・コミュニケーションから必要情報の特定と抽出を行う「UiPath IXP (Intelligent Xtraction & Processing)」を第2四半期(2025年5月~7月)に販売開始することを発表。14日には、ソフトウェアテストにAIエージェントを導入するためのソリューション「Test Cloud」を発表した。
「Agentic Orchestration」の詳細
同社が掲げる「エージェンティックオートメーション」とは、AIエージェント、ロボット、人を組み合わせて実現する自動化。「Agentic Orchestration」(通称:UiPath Maestro)はUiPathが構築したエージェント、サードパーティのエージェント、ロボット、人間が関連するプロセスを綿密に調整する中枢として機能する。具体的には、「モデル化」「実装」「運用」「監視」「最適化」を行う。
プロダクトマーケティング部 部長 夏目健氏は、モデル化の特徴として、ビジネスプロセスモデリング表記の業界標準であるBPMN(Business Process Model and Notation)を用いてエンド・ツー・エンドのエージェンティックプロセスを設計する点を挙げた。
実装では、エージェント・ロボット・人間を業務プロセスに組み込む。エージェントに任せるだけでなく、エージェントがタスクを行った後、人の確認も入れるという。
監視はダッシュボードやヒートマップを活用して行い、最適化ではシミュレーション、ボトルネック検出の機能を活用し、データに基づいたKPIの改善を行う。
夏目氏は、同製品がエージェンティックオートメーションにおいて提供する価値として、「制御された自律性」「ベンダー依存がない」「プロセスの実行制御」「継続的なプロセス最適化」を挙げた。
「Agentic Orchestrationは、ワークフローとして、AIエージェントを実装して、業務の自動化を作り上げていく。他社のシステムにアクセスでき、他社のエージェントも呼び出せるので、システムをまたいだ自動化を実現する」(夏目氏)
「UiPath IXP」の詳細
「UiPath IXP」については、プロダクトマーケティング マネージャー 山崎麟太郎氏が説明を行った。同製品はドキュメント処理ソリューション「Communications Mining」「Document Understanding」を統合し、名称を刷新したもの。前者はメールなどのコミュニケーションデータを分析・自動化し、後者はさまざまな種類のドキュメントを分類・抽出する。
山崎氏は、新製品の特徴として、新たに非定型ドキュメントの読み込みに対応したことを挙げた。生成AIで、非定型ドキュメントの分類と抽出を行う。「UiPath IXP」では、モデルの構築、評価、デプロイにおいて、生成AI特有のハルシネーションのリスクを防止する機能が組み込まれている。
「Test Cloud」の詳細
Test Cloudは、UiPath AutopilotなどのAIエージェントや、Agent Builderで構築されたテストエージェントをクラウド上で提供し、エンド・ツー・エンドでソフトウェアテストの自動化を実現する。
同製品はすぐに利用可能なエージェントを提供する「Autopilot for Testers」、カスタムAIエージェントを構築するためのツールキット「Agent Builder」から構成される。
夏目氏は、同製品の差別化のポイントとして、ローコードで使える点を挙げた。「競合製品は専門知識が必要になるが、Test Cloudはローコードで堅牢なテストの自動化を実現でき、Autopilotが支援する」と同氏は語っていた。