
シャープの液晶パネル工場も今後はデータセンターに
停止した高炉の跡地が新たなデータセンターの拠点に─―。
JFEホールディングス(北野嘉久社長)と三菱商事が、JFEスチール東日本製鉄所京浜地区(川崎市)の高炉跡地で、2030年度までのデータセンター建設について共同検討を始めた。すでに両社で覚書を締結し、25年度中に事業調査を始める方針だ。
近年は生成AI(人工知能)の普及に伴い、データセンターの需要が急増している。一方、首都圏では新たなデータセンターの建設用地が限られている上、大量のデータ処理に必要な、持続可能で安定的な電力の確保が大きな課題となっている。
JFEは23年に東日本製鉄所京浜地区の高炉を休止。現在は30年度を目途に液化水素の受入・貯蔵・供給拠点の形成を計画しており、水素を活用したグリーン電力化の検討を進めている。今後は三菱商事と電力事業・データセンター事業を一体で推進することになりそうだ。
データセンターの建設を巡っては、かつて世界最大級の液晶パネル工場として稼働したシャープの堺工場(大阪)跡地が、データセンターの新たな集積地に代わろうとしている。
シャープはすでにKDDIとデータセンター構築に関する基本合意書を締結した他、ソフトバンクにも土地の一部を約1千億円で売却した。
堺工場は、もともと八幡製鉄(現日本製鉄)の工場だった場所。その後、シャープの液晶パネル工場となったが、韓国勢との競争に敗れて昨夏、液晶パネルの生産を終了した。
JFEの高炉跡地にしろ、シャープの堺工場跡地にしろ、技術革新や時代の変化と共にその役割が変化。それを象徴している事例と言えそうだ。