日立製作所は、2025年日本国際博覧会協会(万博協会)と共同で、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の開催にあたり、来場者の安全かつ円滑な移動の実現のため、会場に通じる交通情報の収集・一元化を行う「万博交通情報システム」を開発し、4月13日から運用を開始することを発表した。

  • 「万博交通情報システム」のイメージ図

    「万博交通情報システム」のイメージ図(出所:日立)

間もなく開幕する大阪・関西万博は、大阪市臨海部の人工島「夢洲(ゆめしま)」を舞台に、会場の四方を海で囲まれた“海の万博”として開催される。ただし人工島での開催ではアクセスルートが限られるため、特定の交通手段や経路にアクセスが集中しないバランスの取れた輸送計画の立案が必要となる。そのため、来場者の安全かつ円滑な輸送を目的とした「大阪・関西万博 来場者輸送基本方針」が2022年6月に策定され、2024年12月には最終の第5版が策定された。

そして万博の開幕に際して日立は、来場者の安全かつ円滑な移動の実現に向け、この基本方針に沿った交通情報システムを万博協会と共同で開発し、万博の会期期間中に運用を行うことを発表した。

日立はこれまでにも、鉄道の運行管理システムや混雑可視化システムなど、交通インフラを支えるためのシステム開発・提供に従事してきたとのこと。そこで培われたノウハウを活かし、今回のシステムでは、大阪・関西万博の会場につながる複数の鉄道事業者のリアルタイムな運行状況や、バスの計画ダイヤなど、各種交通情報を収集して一元化するという。

  • 鉄道運行状況の画面イメージ

    鉄道運行状況の画面イメージ(出所:日立)

また今般の取り組みでは、大阪・関西万博会場へのアクセス情報やリアルタイムでの鉄道運行状況など、システム上で収集した情報の一部を掲載するWebページを作成。万博公式サイトを通じて来場者に情報を提供することにより、複数の交通手段の中から運行状況を踏まえた最適な交通手段を選択でき、快適な移動が可能になるとした。

日立は、万博交通情報システムの運用により、大阪・関西万博来場者の安全かつ円滑な移動実現を目指すとともに、人々の安全・安心かつ快適な移動が可能な交通インフラを支えるため、デジタル技術を活用したイノベーション創出を推進するとしている。