ElevationSpaceは、宇宙環境利用・回収プラットフォーム「ELS-R」の初号機「あおば」に装備する回収カプセルの高空落下試験 Phase 2に成功したと4月2日に発表。目標とする諸機能を確認できたとしている。
ElevationSpaceは、宇宙から地球への輸送サービス開発に取り組むスタートアップ企業。東北大学やJAXAと連携し、宇宙の微小重力環境で研究開発・製造された物資を地球に持ち帰って顧客に返す“国内初”のサービス提供に向け、宇宙環境利用プラットフォーム「ELS-R」の開発を進めている。
今回の試験は、2月22日に福島・南相馬市沖の海域で行われたもの。大気圏再突入カプセルの回収プロセスを確認するための試験技術を構築し、Phase 1で課題だったポイントを含む以下3つの項目の正常動作確認を目的としていた。
- 降下中にパラシュートを放出し、パラシュートによる減速を行う
- カプセル飛行中・着水時の飛行環境データを取得する
- 着水後にフローテーションバッグ(浮き輪)など洋上回収に必要な装備が機能し、カプセルモジュールを回収する
ElevationSpaceの小林稜平CEOは「(この試験は)2024年に実施したPhase 1で積み残しとなった課題を克服するための場でもあった。今回の成功は、開発上の大きなマイルストーンをクリアすると同時に、当社の課題解決力が証明されたという意味で価値の高い成果。今後も挑戦と改善を通して、ミッションの実現に向け取り組む」とコメントしている。
また、同社の藤田和央CTOも「一連の手順が検証でき、技術実証機『あおば』の打ち上げに向けて大きく前進した。引き続き打ち上げに向けた準備を進めていく」とコメントしている。