日本電信電話(NTT)、バイオーム、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)、NTTコムウェア、NTTデータ、NTTドコモの6社は3月27日、衛星画像データを活用しリモートセンシングによる植生および生物の広域推定技術の開発に着手することを発表した。
NTTグループの衛星画像データ解析技術などとバイオームが保有する850万件以上の生物データベース「BiomeDB」を掛け合わせ、生物多様性のモニタリングを支援するための広域かつ継続的な植生および生物の関連データ収集と分析手段を確立する。これにより、社会のネイチャーポジティブ(自然再興:生物多様性の損失を止め回復軌道に乗せること)の実現に貢献するという。
実証内容
6社は衛星画像データとバイオームの保有する生物データ、自治体が保有する植生などの実フィールドデータを活用して、高頻度・広域かつ国際的な議論に沿った粒度で、特定地域の植生および生物の種類や分布状況を推定する。
フィールド実証の概要
NTTドコモの「ドコモ泉南堀河の森」(大阪府泉南市)では、衛星による森林および周辺生態系の把握が可能かを検証する。NTTドコモは実証を通じて、自然共生サイトに認定された「ドコモ泉南堀河の森」の保全推進に向けた生物多様性の可視化や、経年モニタリングに関する新たな手法探求、および将来的なドコモ基地局周辺のモニタリングへの活用に対する可能性の検証を進める。
アサヒグループジャパンの社有林「アサヒの森」(広島県庄原市)では、ビジネスユースケースや広域推定技術の確立について確認する。アサヒグループジャパンは実証を通じて、アサヒグループ環境基本方針に基づく「アサヒの森」でのサステナブルな生物多様性の可視化と、経年モニタリングに関する新たな手法探求のための検証を実施する。