災害時の運搬はもちろん、人口が減少するなかでも日本の津々浦々に物資を運搬できるルートとして期待されるドローン輸送。安全に整備された物流の一翼を担えるようになると利便性は著しく向上する。2023年に経済産業省が音頭を取って日本全国のインフラのDXを図る「デジタルライフライン全国総合整備計画」が策定され、航路運航支援及び航路リソース共有のためのプロジェクトが進んでいるが、浜松エリアと秩父エリアで"ドローン航路"が3月25日に開通している。
世界初の"ドローン航路"へ
浜松市の天竜川上空約180kmと秩父市エリアにおける送電設備上空約150kmにドローン航路を整備し、一部区間において物流や送電設備点検用途などでの商用活用を開始した。"地上及び上空の制約要因に基づいて立体的に最外縁が画定された運航環境において、航路運航支援及び航路リソース共有"を実現するドローン航路は、世界初の試みになるという(経済産業省、情報処理推進機構調べ)。ドローン航路では、ドローン運航事業者が個別に行っていた地域関係者との調整・周知や飛行経路のリスク評価など、煩雑な手続きを航路運営者が代わりに行うことで時間とコストの大幅な削減が期待できる。
今回の事業では、産学連携各者が役割を分担してドローン航路を開通している。各者の役割は以下の通り。