Microsoft専門のニュースサイト「Windows Latest」は、「Microsoft emails Windows 10 deadline warning, urges Windows 11 upgrade」において、MicrosoftがWindows 10ユーザーにオペレーティングシステムのアップグレード警告を送信したと伝えた。

この通知はWindows 10デバイスに紐づいたMicrosoftアカウント全員にメールで送信されたとみられている。

  • Microsoft emails Windows 10 deadline warning、urges Windows 11 upgrade

    Microsoft emails Windows 10 deadline warning, urges Windows 11 upgrade

通知の概要

Windows Latestによると、メールの件名には「End of support for Windows 10 is approaching(Windows 10のサポート終了が近づいています)」と記載され、本文には新しいPCを購入するためのリンクの記載などがあるという。

Microsoftがこのような通知を送付した理由としては、Windows 11への移行が予想より遅れていることが挙げられる。StatCounterの公開しているWindowsバージョン別シェアによると、2月末時点のWindows 10のシェアは約58.7%、対してWindows 11のシェアは約38.13%とされ、Windows 10のシェアが上回っている。

  • Windowsバージョン別シェアの推移 - 引用:StatCounter

    Windowsバージョン別シェアの推移 - 引用:StatCounter

Microsoftはこの状況を改善すべく、対応を強化しているものとみられる。ただ、今回の通知についてWindows Latestは情報がかたよっているとして懸念を示している。

拡張セキュリティ更新プログラムの説明がない

この通知には拡張セキュリティ更新プログラム(ESU: Extended Security Update)の説明が含まれていない。ESUはサポート終了後も有料でセキュリティ更新プログラムの提供を継続して受けられるプログラムだ。個人であれば1年間30ドル、企業であれば61ドル(毎年2倍増、最大3年間)で提供される。

事実上のWindows 10の延命プログラムだが、Microsoftは最終手段と位置づけており推奨していない。そのためか、今回の通知には含まれていない。

また、Windows Latestは通知の末尾に記載されたOneDriveを用いたバックアップの提案についても懸念を示している。WindowsはOneDrive以外のバックアップ手段を提供しており、あえて有料の可能性のあるオンラインバックアップを利用する必要はない。

買い替えを推奨

通知では古いPCのアップグレード方法を次のように提案し、デバイスの買い替えを推奨している。

「Trade it in or recycle it with local organizations(地元の団体に下取りやリサイクルを依頼しましょう)」

デバイスがWindows 11の「最小システム要件」を満たしている場合は買い替えの必要はない。しかしながら、満たしていない場合はアップグレードできないため、Windows 11を使用するには買い替える必要がある。

Windows 10は2025年10月14日にサポートを終了する。サポート終了後も使用を継続すると、不正アクセスなどサイバー攻撃の被害に遭う可能性が高くなる。そのため、期日までにアップグレード、買い替え、別のオペレーティングシステムに乗り換えるなど、ユーザーの希望に沿った適切な選択をすることが望まれている。