ソフトバンクは、同社のAI-RAN統合ソリューション「AITRAS(アイトラス)」を、米国カリフォルニア州サンタクララにある米NVIDIAの本社ビル内に展開したと発表した。
AITRASは、NVIDIA AI アクセラレーテッドコンピューティングプラットフォームの特長を生かし、AIとRANの高性能化と効率化を目指したアーキテクチャーであるAI-RANを製品化したもの。
NVIDIAの本社ビルでのAITRASの構築は、国外における初のAITRASの実装事例。両社は今後、モバイルエッジAIアプリケーションの開発を推進し、革新的なサードパーティーやNVIDIAエコシステムパートナーとより幅広い普及促進ために協力を継続する考えだ。
エッジAIアプリケーションのエコシステム構築に向けた第1弾として、ソフトバンクはNVIDIAと協力し、LLMロボットによる「ポーターロボット」を開発し、NVIDIA本社ビル内で実証実験を開始した。
AITRAS上で動作するLLMを用い、来訪者の服装を指示することで、ロボットは来訪者を追従し、状況に応じて荷物を運ぶ。アップリンク、ダウンリンクの通信の往復20msの低遅延環境において安定して動作し、従来のロボット制御と比べて高い追従性能を実現しているとのことだ。
両社は、AITRAS上のモバイルエッジでの革新的なAIサービスの実現とエコシステムの構築を目指し、モバイルエッジAIサービスの開発と実証、AITRASオーケストレーターとの連携など、共同での開発を加速していく。
ソフトバンク 執行役員兼先端技術研究所 所長の湧川隆次氏は「AI-RANの実用化に向け、共同での開発と技術革新がさらに加速していくと確信している」とコメントする。