パナソニックは、ぜんそくや鼻炎などのアレルギー様症状を悪化させる一因とされるエンドトキシン(細菌由来の毒素)に対して、独自の「ナノイー(帯電微粒子水)」技術による不活化効果を実証したと3月6日に発表した。
ナノイー(帯電微粒子水)は、霧化電極をペルチェ素子で冷却し、空気中の水分を結露させて水をつくり、霧化電極と向き合う対向電極の間に高電圧を印加することで発生。OHラジカルを含んだ、約5~20ナノメートルの大きさの粒子を生み出す。
細菌由来の毒素であるエンドトキシンは、ぜんそくや鼻炎などのアレルギー様症状を悪化させる一因であることが学術的研究のなかで示唆されており、ハウスダスト中に含まれることや、PM2.5、黄砂などの大気汚染物質への付着も確認されているという。また、大腸菌などのグラム陰性菌に由来する物質であり、アルコールや加熱に耐性があり、一般的な消毒方法による不活化が難しいことでも知られる。
パナソニックはこれまでにナノイー技術を用いて、細菌20種に対して抑制効果を実証したほか、細菌の抑制メカニズムについても一部解明している。今回、新たに細菌の毒素に対する効果を検証するために、アルコールや加熱にも耐性をもつエンドトキシンに対する効果を確認した。その結果、ナノイーを照射することで、99%以上不活化することを実証したという。
今回の検証は、大阪公立大学名誉教授、兵庫県立大学客員研究員の向本雅郁氏の監修の下で実施。なお、この検証結果は試験条件下のものであり、実使用空間における効果を検証したものではない。また、症状悪化の一因となる化学物質への効果を検証したもので、症状悪化そのものに対する効果も検証していない。具体的な検証方法などは、同社の報告ページを参照のこと。
パナソニックは、安全・安心な空間の提供を通じて社会に寄与することをめざし、今後もナノイー技術を進化させ、可能性を追求し続けるとしている。