独自の物流システムを強みに 物流コストの競争力を強化
─ ロシアによるウクライナ侵攻から3年が経とうとしていますが、足元ではエネルギー価格が高止まりしていますね。まずはLPガス事業の現状をどのように見ていますか。
中田 米国ではトランプ氏が大統領の就任演説で「エネルギー資源を掘って、掘って、掘りまくる」とおっしゃっていましたよね。
ですから、資源価格がそんなに上がることはないと思うのですが、とはいえ、地政学リスクによる資源価格の高騰、為替相場の急激な変動など、景気の先行きは不透明な状況が続くものと予想されます。
そうした状況ですが、当社は引き続き、物流事業での競争力を成長戦略の中心に置き、物流密度の向上と一層の効率化を図ってまいります。
また、自社配送の利点を生かしたお客様とのリレーションシップ強化を図ることで、ライフライン事業者として更なるサービスの充実を図っていく考えです。
─ ポイントは、いかにコスト上昇分の価格転嫁を進めるかだと思うんですが。
中田 はい。LPガスの適正な販売価格の設定と、コストダウンすることで、引き続き利益確保に努めていきます。また、創業以来取り組んできた独自の物流システムを強みとして活かし、物流コスト競争力を強化していく考えです。
─ 電力小売りの自由化が2016年で、都市ガス小売りの自由化が2017年でしたね。競争環境は、それ以前よりも厳しくなっていると思うんですが、改めて、この辺の影響はいかがですか。
中田 LPガス事業は初めから自由競争で、そこで培ったノウハウを最大限活用し、ライフライン事業に携わる企業として、ガス、水、電気、通信をパッケージに下『TOELLライフラインパッケージ』でのセット販売の提案を行うことで、新しい需要顧客の創出を図っています。
われわれはお客様に安全・安心にLPガスをご使用いただくことを第一に考え、関東一円のお客様にLPガスをお届けしております。
そこにガスだけでなく、水や電気、通信をパッケージ化した『TOELLライフラインパッケージ』を強力に拡販することで、新たな顧客の掘り起こしを図ると同時に、事業基盤の拡大に努めていきます。
─ なるほど。パッケージ化して販売するわけですね。
中田 ええ。これならお客様のお手間を省き、さらにセット割でお得になります。最近は特に、水のお客様からセット販売のお申し込みも多くいただいており、有効な提案ツールとして、今では無くてはならない存在となっています。
このライフラインパッケージとエネルギーのミックス供給をご提案することにより、今後はLPガス事業者から、総合エネルギー事業者への飛躍を図りながら、エネルギー小売競争時代に対処してまいりたいと思っています。