大正製薬は、北海道大学大学院薬学研究院の木原章雄教授と共同で、見た目の衰えを左右する「乾燥」と「結合型セラミド」の関連性を新たに解明したと2月13日に発表。乾燥した肌では、結合型セラミドという特殊なセラミドが少なく、見た目や角層状態が悪化していることを発見したという。
肌の最も外側にある角層は、肌の美しさや見た目の若々しさに大きな影響を与える重要な組織と考えられている。角層は、角層細胞と細胞間脂質が重なり合って構成されており、「結合型セラミド」と呼ばれる特殊なセラミドが、これらをつなぎとめる役割を果たしている。
大正製薬では、肌への外的刺激や肌細胞の老化によって結合型セラミドが減少し、肌のバリア機能が低下することや、肌の結合型セラミドを増やす効果がある成分を発見したことを、2023年から2024年にかけて報告している。
今回は、結合型セラミドの中でも、構造中に6-Hydroxysphingosine構造を持つ結合型セラミドである「PB-Hタイプ結合型セラミド」に着目し、肌の結合型セラミドの量と見た目の若々しさや美しさの関係について研究を行った。その結果、大きく以下2点のことが分かったという。
- 特定の結合型セラミドが少ない人は、肌表面の構造が乱れている
- 特定の結合型セラミドが少ないほど、肌の見た目が悪化している
まず健常肌の被験者を、角層水分量が少ない群と多い群に分類し、肌の結合型セラミド量と肌状態の関係について調査した。角層水分量が少ない群では特定の結合型セラミドが明らかに少なく、肌表面が粗く、角層が乱れており、角層が重なって剥がれる傾向にあることが判明したという。
さらに全被験者の解析結果から、特定の結合型セラミドと肌表面の粗さには相関関係があることも明らかにした。特定の結合型セラミドが少ない人は、多い人に比べて肌の見た目として微細な皮むけが多く、また、赤みが強い傾向にあることも分かったとのこと。
同社では、「健常肌において、若々しく美しい肌の見た目を考える上で、肌の水分量と結合型セラミドは重要な役割を果たしていると考えられる」と指摘している。なお、今回の研究成果の一部は、学術誌「International Journal of Molecular Sciences」と、「第2回日本化粧品技術者会学術大会」(2024年11月開催)で発表済みとのこと。