将来宇宙輸送システム(ISC)は2月10日、同社の米国法人であるシリウス テクノロジーズ(Sirius Technologies)の「打ち上げ総責任者」に米国航空宇宙局(NASA)などの米国宇宙業界で長く勤務経験を有するFrederic B. Moreno氏を任命したことを発表した。

同氏は、NASAのジョンソン宇宙センターでの勤務経験のほか、Blue Originでの打ち上げやエンジン試験に従事した経験があり、直近では商業用宇宙港であるSpaceport Americaでも勤務した経験を有しており、今回、ISCならびにシリウス テクノロジーズの再使用ロケット「ASCAシリーズ」の米国での打ち上げ試験の総責任者としてミッションを成功に導く役割を担うことになるという。

シリウス テクノロジーズは2024年3月にISCの技術開発部門として米国コロラド州ボルダーに拠点を構える形で設立されたISCの子会社で、2024年に米Ursa Majorとロケット用推進エンジンの調達で協業。同社より推進エンジンを購入し、早ければ2025年末には打ち上げ試験を行う予定としており、この計画成功のために、すべての関係者間の調整役として同氏のリーダーシップが不可欠なものになると同社では説明している。

なお、同氏は着任にあたって、「ISCの再使用型ロケット開発への挑戦にとても期待しています。日本が有するものづくりのノウハウやバリューチェーン、高い技術力とアメリカが有する最先端の試験設備や知見を融合させることで、ISCがビジョンに掲げる世界『毎日、人や貨物が届けられる世界。そんな当たり前を宇宙でも。』の実現に貢献できることを楽しみにしています。また、これまでの私の経験を活かすことで、日本の民間ロケット産業の発展にも貢献していきたいと思います」とコメントしている。

  • Frederic B. Moreno氏

    Frederic B. Moreno氏の写真 (出所:ISC)