NTTドコモは2月5日、最新の健康診断データとスマートフォンに蓄積された歩数や BMI(Body Mass Index)などの生活習慣データを組み合わせることで、生活習慣病の判定指標となる検査値が将来悪化するリスクを統計的に推定する「健診予測AI」を開発したことを発表した。同機能は自治体向けヘルスケアサービス「健康マイレージ」で提供を開始する。

サービス開発の背景

多くの生活習慣病は、歩数をはじめとする運動習慣やBMIのような体格の影響を受けるため、自身の生活習慣病リスクを客観的に把握し、リスクに応じて生活習慣を改善する必要がある。

これまで生活習慣病の発症リスクを把握する方法として、健康診断データを用いてリスクを推定するAIが活用されてきたが、健診診断は基本的に年1回しか実施されず、推定結果の更新頻度が課題とされていた。

NTTドコモが開発した「健診予測 AI」は健康診断データだけでなく日々の生活習慣データを組み合わせて将来のリスクを推定するため、1週間に1回の頻度で個人の生活習慣に寄り添った推定が可能となる。

「健診予測 AI」の特長

「検診予測AI」は健康診断データに加えて、日々の歩数やBMIといったスマートフォンに蓄積された生活習慣データを用いて、直近の生活習慣が継続した場合の1年後の検査値悪化リスクを週ごとに推定する。検査値には生活習慣病の判定指標となるHbA1cや中性脂肪などを含み検査値ごとにリスクを算出する。

また、推定したリスクと合わせて、リスク低減に向けて重要と考えられる生活習慣や改善に向けた具体的なアドバイスを「健康マイレージ」上で提供することで、一人一人の生活習慣に寄り添った健康管理と行動変容を支援する。

「健診予測 AI」はヘルスケアに関連した健康状態や生活習慣などを推定するAIを集約した、NTTドコモが提供する「ヘルステック(HealthTech)基盤」に実装される。「健診予測AI」をヘルステック基盤のAPI(Application Programming Interface)と連携し利用可能。

「健診予測AI」は山形県山形市の「AIによる健康アドバイス機能実装事業」に採択され、2月5日から山形市民への提供が開始されるという。