茨城大学と日立建機は2月3日、人材育成や研究開発などの相互協力を目的とした包括的な連携に関する協定を締結したことを発表した。
建設機械製品の開発においては、機械工学や電気電子、情報通信、ソフトウェアなど、さまざまな分野にまたがる技術が必要とされる。日立建機は、中期経営計画で掲げる「顧客に寄り添う革新的ソリューションの提供」の中で、デジタル技術が必要不可欠であることから、それらを含む幅広い分野を総合的に扱うエンジニアの育成に注力しているとのこと。また同社は産学問わずパートナーを広く社外に求め、共同での価値創造を目指すオープンイノベーションを推進しているという。
一方の茨城大は、工学部および大学院理工学研究科において「地域産業に貢献する製造系高度ITエンジニア」の育成を強化しており、地域の企業などと協力して、機械・電気電子・情報通信を横断したカリキュラムの構築や研究の実践を推進している。また、ビジネスとデータサイエンスにおける分野・分離を横断した学びや、有給のコーオプ実習を特徴とする「地域未来共創学環」の新設、総合気候変動科学の創出を図る4つの研究センターを軸とした研究・産学官連携体制の強化など、各ステークホルダーとの共創による教育・研究を推進しているとする。
そして今般、人材育成の方向性が合致している両者は、茨城県に立地する大学・企業間のオープンイノベーションとして連携・協力することにより、双方の人材育成や研究開発を加速し社会価値創造および地域発展につながるとの理由から、連携に関する協定の締結に至ったとした。
なお2025年度以降は同協定に基づく施策として、日立建機が提供する教育講座の開設やインターンの実施、“革新的ソリューション”を目指す共同研究センターの開設などを予定しているとのこと。また協定締結に合わせ、日立建機は茨城大の「STUDENT SUCCESS CENTER」をはじめとする水戸・日立両キャンパス内施設のネーミングライツを取得予定だとしている。