NECは1月30日、2024年度(25年3月期) 第3四半期(3Q)決算に関する決算説明会を開催した。説明会には取締役 代表執行役Corporate EVP 兼 CFOの藤川修氏が登壇した。
ITサービス・社会インフラの両セグメントで大幅増益
3Q累計実績は、売上収益が前年度比3.0%減の2兆3218億円となり、調整後営業利益は前年同期の970億から1502億円の増加となった。
なお、売上収益の減少に関して藤川氏は、2017年に子会社化した「日本航空電子工業(JAE)の非連結化の影響」と説明しており、この影響を除いた場合、売上収益は前年度比4.5%増となっている。
また、3Q累計のNon-GAAP営業利益については、994億円から1623億万円に拡大し、前年度比629億円増となった。Non-GAAP当期利益については、前年同期が547億円だったのに対して、537億円増の1084億円となっている。
セグメント別で見ると、3Q累計のITサービスの売上収益は前年度比4.6%増の1兆3746億円、社会インフラの売上収益は同5.8%増の7729億万円となっており、藤川氏は「ITサービス・社会インフラの両セグメントで大幅増益」と説明した。
特にITサービスについては、自治体標準化案件により大幅増した「パブリック」を中心に堅調な需要が継続しており、DX関連の案件が増加した「製造」でも受注を増やしている。
また社会インフラ領域に関して藤川氏は「テレコムサービスは、一過性の損益あるも開発費を中心とした費用効率化により調整後営業利益が改善」と説明。その言葉通り、テレコムサービスの3Q累計の売上収益は前年度比3.8%減の5344億円となっている一方で、調整後営業利益は250億円増の293億円となっている。
2024年度の業績予想
2024年度の業績予想としては、前回から修正を加え、売上収益に関しては、前期比1.9%減の3兆4100億円へ、営業利益からM&A関連費用や構造改革関連費用など一過性損益を除いたNon-GAAP営業利益については、2550億円から同23.0%増の2800億円へ、純利益を1650億円から同2.3%増の1820億円へ上方修正した。
セグメント別の予想を見てみると、ITサービス領域については、修正前から800億円増の2兆300億円を予想しており、調整後営業利益は修正前から200億円増の1920億円となる見込みとしている。
一方の社会インフラ領域に関しては、修正前から400億円減の1兆1300億円を売上収益として予想しており、調整後営業利益は60億円減の950億円に下方修正した。
投資しやすい環境を整えるべく株式分割の実施
最後に藤川氏は「株式分割の実施」を行うことを明らかにした。今回の株式分割の実施は、1株につき5株の割合をもって分割し、投資単位当たりの金額を引き下げることで、投資家が投資しやすい環境を整えることを目的としたもの。
株式分割前の発行済株式総数が2億7284万9863株であるのに対して、株式分割後の発行済株式総数は13億6424万9315株となる。
なお、分割の日程は、基準日公告日として2025年3月14日を予定しており、効力発生日は2025年4月1日となる。