ヤンマーホールディングスは、工場などで排出される高温ガスから熱エネルギーを回収し“CO2フリー”で発電する、独自の熱交換技術を活用した熱電発電システムを開発。事業性実証試験を経て、グループ会社のヤンマーeスターで商品化をめざすと1月24日に発表した。

  • 熱電発電システムのCGイメージ

ヤンマー独自のサーモサイフォン式熱交換器を用いた技術により、熱電モジュールの均等かつ高密度な加熱を可能とし、高出力化を追求。350度以上の多様なガス熱源に対応でき、省スペースで複数台設置が簡易にできることから、幅広い用途に適用できるシステムとアピールしている。年間CO2排出量を約30t削減可能で、環境負荷低減にも寄与するという(発電ユニット4台で構成されるシステムに対する削減量)。東京ビッグサイトで開催される「ENEX2025 第49回地球環境とエネルギーの調和展」(会期:1月29日~31日)に、実機を出展予定。

同システムで採用したサーモサイフォン方式は、熱媒体の一部分が加熱されて沸騰し、別の一部分が冷却され凝縮することによって、自然に循環する現象(サーモサイフォン)を利用し、廃熱から熱電モジュールへ熱エネルギーを輸送する技術のことを指す。

  • 熱電発電システムの動作原理

工場などで排出される350度~800度の高温ガスから発電でき、熱利用のニーズに対しては温水供給も可能。回収した廃熱は、熱電モジュールで直流電力へ直接変換するため、可動部がなく騒音・振動もないとのこと。発電出力はAC 9.5kW。

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