IHIは、民間航空機用エンジンの整備拠点である鶴ヶ島工場(埼玉・鶴ヶ島市)に、PW1100G-JMエンジンの部品修理を行う修理棟を新設し、2026年内の稼働をめざすと1月27日に発表した。
新棟の延床面積は約8,000平方メートルで、投資額は約130億円。稼働開始時に修理する対象部品は、PW1100G-JMのファンケースやファンブレード、統合回転翼(IBR:integrally bladed rotors、翼とローターディスクを一体化した部品)など。
PW1100G-JMエンジンは、エアバスの「A320neo」に搭載されているエンジンで、IHIは日本航空機エンジン協会(JAEC)の一員としてプロジェクトに参画。鶴ヶ島工場は同エンジンの整備需要に対応する拠点として建設され、2021年6月に稼働開始以来、人員増強・育成や設備投資などにより体制強化に取り組んでいるという。
航空エンジンは、約30万点にもおよぶ部品で複雑に構成されながら、20年以上の長期にわたるライフサイクルにわたって航空機の安全で快適な運航を担保するため、厳格な品質管理による整備が求められる。このうち部品修理については、簡易な修理は各整備工場で行われるが、高度な技術を要する修理については限られた拠点が受注し修理を行っている。
IHIが新設する修理棟では、同社が設計・製造を手がける部品群を中心に、世界中の付加価値の高い部品修理を担っていくとのこと。