KDDIは1月21日、WAKONX(ワコンクロス) Network Layerを通じて、製品やサービスと通信を一体化するサービス「ConnectIN(コネクティン)」を提供開始すると発表した。

WAKONXは、同社が昨年発表したジネスプラットフォーム。「WAKONX」は、Network Layer、Data Layer、Vertical Layerの3つの機能を提供するが、ConnectINはNetwork Layerから提供される。

  • ビジネスプラットフォーム「WAKONX」の概要

「ConnectIN」がメーカー、消費者に与えるメリットとは

KDDI 執行役員常務 ビジネス事業本部 副事業本部長 那谷雅敏氏は、「デバイスにAIを搭載するエッジAIとクラウドのAIがアップリンクしながら、AIを使いやすくする時代になってきており、通信の重要性がますます増してきている」と述べ、こうしたニーズに応えるビジネスモデルがConnectINとなる。

  • KDDI 執行役員常務 ビジネス事業本部 副事業本部長 那谷雅敏氏

ConnectINは、従来の月額通信料金のビジネスモデルと異なり、メーカーの製品に一定期間の通信料を組み込んで販売し、製品を購入した人に対し、KDDIから通信料金を請求しないビジネスモデル。

那谷氏は「われわれは通信会社だが、通信料金を請求しないモデルを目指し、ConnectINをつくった」と述べた。通信会社が通信料金を請求しない、どういうことか。

KDDIはメーカーが製品に通信機能を内蔵させる際に必要となる、通信回線の手配・管理・運用、データベース構築、システム開発を提供する。代わりに、メーカーは販売台数に応じてKDDIとレベニューシェアを行う。

そのため、メーカーは初期投資ゼロで通信が一体化された製品を提供することができる。

そのメーカーの商品を買った企業や人は月々の通信料を支払わずに通信を利用することができる。PCで通信を行う場合、これまでは製品と別に通信会社との契約が必要だったが、それが不要になる。

那谷氏は「製品の中に通信の代金が入っている世界を目指す。今後、幅広い製品にコネクティンを通じて通信機能を提供していく。PCに通信機能を付加することが、価値が高まる」と語った。

  • ConnectINのビジネスモデル

PCに通信が一体となったPCを利用することで、その企業のIT管理者はPC管理の効率化を図ることができ、また、その企業の従業員はテザリングやWi-Fiの設定から解放される。

KDDIは日本HPとConnectINについて先行協業を行っており、2023年11月から日本HPはConnectINに対応したPCを販売している。その成果が「大いにあった」(那谷氏)ことから、今回一般提供が開始されたという。

同日時点で、ダイワボウ情報システム、Dynabook、レノボ・ジャパン、パナソニック コネクト、VAIOの製品へのConnectIN採用が決定している。

「dynabook eSIM Startin’」が提供開始

説明会には、同日に法人向けに、au回線を利用したMVNOサービス「dynabook eSIM Startin’」を提供開始するDynabookから、常務執行役員 国内PC事業本部長 渋谷正彦氏が参加した。

渋谷氏は「現在、生成AIの活用が真っ只中であり、AIを利用する際につながりやすい、安定した通信環境が求められている。ConnectINを採用したサービスを提供することで、AI時代におけるモバイルPCの可能性を広げる」と語った。

「dynabook eSIM Startin’」は、eSIM(5G/LTE(4G))対応のモバイルノートPCにau回線のデータ通信4年間無制限の利用権を付属するもの。同社の調べによると、au回線の4年間の利用権をPCとセットで一括経費計上できるため、4年間のトータルコストは、PCと通信環境を別々に手配・購入した場合に比べ費用を大幅に抑えられるという。

同サービスに対応したモデルとして「dynabook X83/LY」(eSIMに対応した5G/LTE(4G)対応の通信モジュール内蔵モデル)の受注が開始された。同製品はビジネスのダウンタイムを削減するためバッテリを着脱できるが、渋谷氏は「モバイルPCの性能が高くなっており、安定した通信が必要不可欠とされているため、ConnectINとバッテリ着脱型のPCとの相性はバツグンと考えている」と語っていた。

VAIOは法人向けにConnectINを展開予定

説明会には、VAIO 取締役執行役員 開発本部長 林薫氏も参加した。同社は同日、ConnectINを法人向けに展開予定であることを発表した。提供開始日を含むサービスの詳細は明らかにしていない。

林氏は、ConnectINについて、「当社が目指している自由な働き方と高い生産性を両立する体験に影響を与えると考えている」と話した。

VAIOは自由な働き方の実現に向け、3Gの時代から無線WANをPCに搭載してきた。林氏は「無線機能は搭載すればよいわけではない。接続性にこだわっている」と述べ、安曇野設計と品質にこだわったものづくりを紹介した。

また、法人向けVAIO PCの無線WAN搭載率は30%を超え、ビジネス成長に貢献していることから、「VAIOの目指す体験が支持されていると考えている」と林氏は述べた。

「ConnectINを採用することで、VAIOの目指す体験がより進化できると考えている。ネットワークは空気のような存在が理想、ConnectINはそれを実現する 」と、林氏はConnectINに対する期待を語っていた。