マカフィーは1月8日、ショートメッセージ、電子メール、動画の詐欺に対する新たな包括的な保護機能である「マカフィー詐欺検知(McAfee Scam Detector)」をCES 2025で発表した。

「マカフィー詐欺検知」の概要

昨今の詐欺の手口は従来以上に巧妙になっており、米国人の59%が過去1年間に自分または知り合いがオンライン詐欺に遭ったことがあると回答し、詐欺の被害者は平均1471ドル(約23万円)を失っているという。

ディープフェイクの台頭と、それを生み出すAIツールへのアクセスの容易さが、事態をさらに複雑にしている。マカフィーラボチームが17種のディープフェイク作成ツールを調査したところ、わずか5ドルと10分ほどで、詐欺師は本物そっくりのディープフェイク動画やAI音声詐欺を生成できることが判明したという。

AIを搭載したマカフィー詐欺検知は、詐欺師が巧妙に設計した不審なメッセージや偽メール、ディープフェイク動画まで、プロアクティブ(能動的)かつリアルタイムに保護することで、詐欺を未然に阻止し、消費者の安全を守ることができる機能。

同機能は、マカフィーのユーザーには追加費用なしで今春に提供を予定し、AI技術を使用して危険なメッセージをリアルタイムで分析して警告を出す。

「マカフィー詐欺検知」の仕組み

マカフィー詐欺検知は、マカフィーのオンライン保護技術「McAfee Smart AI」を活用。同技術は、電子メール、テキストメッセージ、動画の詐欺から人々を守るために「詐欺メール検知機能」「詐欺SMS検知機能」「ディープフェイク検知機能」といった機能を備えている。

詐欺メール検知機能

受信トレイを監視して不審なメールを検知し、メールを開封する前にリスクのあるメッセージを警告する。また、メッセージが危険な理由を説明し、次回から注意すべきポイントを把握できるようサポートする。

詐欺SMS検知機能

詐欺師が金銭をだまし取るためや、不正なリンクをクリックさせるために使用する疑わしいテキストメッセージを検知する。開封前にリスクのあるメッセージを警告し、その危険性について明確に説明する。

ディープフェイク検知機能

AI生成の動画を識別し、視聴しているコンテンツが偽物である可能性を知らせる。上司を装った人物や偽の有名人の宣伝動画など、本機能によって騙されることを防ぐ。今後、フランス語やドイツ語、日本語など多言語対応を予定し、スマートフォン、タブレット、ノートパソコン、デスクトップパソコンなどのオンライン環境でシームレスに動作できるようになるという。