New Relicは12月17日、テクノロジー市場調査会社Enterprise Technology Research(ETR)と共同で実施した調査に基づき、今回で第4版となる年次オブザーバビリティ予測レポート「2024オブザーバビリティ予測レポート」の日本語版を公開した。ビジネス影響の大きいシステム停止による年間のダウンタイムの中央値は77時間で、1時間あたりのコストは190万ドルに上ることが明らかになった。

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この調査は、南北アメリカ、日本を含むアジア太平洋、欧州の16カ国の技術プロフェッショナル1,700人を対象にETRが2024年4月〜5月に実施したもの。回答者のうち65%が実務担当者、35%がITの意思決定者。調査によると、システム停止によるビジネス損失は、62%が1時間あたり100万ドル以上と回答し、中央値は190万ドル。エンジニアリングチームが停止対応に費やす時間の中央値は全体の30%(週40時間労働の場合12時間)に相当する。

フルスタックオブザーバビリティを導入している企業は、未導入の企業に比べて年間ダウンタイムが平均79%減少し、システム停止による1時間あたりのコストも48%少ないことがわかった。オブザーバビリティのツールについて、複数のポイントソリューションよりも単一の統合プラットフォームを望む企業が2倍多く、単一ツールを使用している回答者は前年比で37%増加した。ツールの平均使用数は前年比で11%減少したが、45%が依然として5つ以上のツールを使用しており、41%が来年中にツールを統合する予定と答えている。

オブザーバビリティへの年間支出の中央値は195万ドル。一方、オブザーバビリティから得られる年間財務価値の中央値は815万ドルとなり、ROIの中央値は4倍であった。これは昨年のレポートで示された2倍から倍増した。ビジネス成果をテレメトリーデータと関連付けてリアルタイムでレポートする「ビジネスオブザーバビリティ」は、オブザーバビリティベンダーに求める重要な基準の3番目で、40%の回答者がすでに同機能を導入済みだという。導入企業は未導入企業と比較して、年間ダウンタイムが40%減少、システム停止のコストが24%削減、そしてサービス中断対応にかかる時間を25%短縮されている。

AIテクノロジーの導入はオブザーバビリティのニーズを促す主要な戦略・トレンドとして41%の支持を集めました。具体的には、約5人に2人(42%)がAI監視、29%が機械学習(ML)モデル監視、24%がAIOps機能を導入している。これらの機能を導入した企業は、未導入企業に比べてオブザーバビリティから得られる年間財務価値がより高くなる傾向が明らかになった。