コンテックは、積層セラミックコンデンサの量産品検査用計測器モジュールを開発し、「PCI Express対応Cメータボード 2ch」(型番:ZM-C2H-PE)として12月17日から受注開始した。価格は44万4,400円。

  • PCI Express対応Cメータボード 2ch(ZM-C2H-PE)

スマートフォンなどのスマートデバイスの普及や、自動車をはじめとするモビリティの電動化を背景に、積層セラミックコンデンサ(MLCC)などの需要が増加。こうしたデバイスは小型化・バッテリ駆動時間の延長が求められており、MLCCの小型化・大容量化が進められている。

ZM-C2H-PEは、400pFから最大1400μFまでの静電容量(C)と、損失係数(D)を高速高精度で計測できるというPCI Expressバス準拠のCメータボード。これまではベンチトップ型計測器が主流であったCメータ機能を、PCI Express対応の拡張ボードとして製品化したもので、大容量化するMLCCの検査に対応する。

従来、ベンチトップ型測定器で複数ラインの検査システムを構築すると、多くの測定器を並列に配置することになり、システムが大型化するほか、測定器と検査結果判定用PCとの間でEthernet、USB、GPIBといった通信が介在し、タクトタイムが伸びてしまう要因にもなっていた。

ZM-C2H-PEでは4端子測定を2チャネル分搭載し、同製品1枚でWindowsパソコンにベンチトップ計測器2台分の機能を組み込めるとする。測定ポートはそれぞれ独立したレンジ設定、測定動作も可能。高速ローカルバスであるPCI Expressの利点を活かした高速データ処理により、タクトタイムを短縮し、コストダウンにも寄与する。

静電容量Cと損失係数Dは、1kHzでは2msec、120Hzでは10msecで測定可能。測定周波数は1kHzと120Hzで、測定電圧は1.0Vrmsと0.5Vrms。定電圧での容量測定も可能で、測定対象のコンデンサに印可される電圧が、設定電圧になるように自動で出力電圧を調整する機能を装備。ケーブルなどによる電圧降下の影響を受けず、常に一定の測定電圧でコンデンサの容量を測定できるという。

このほか、測定時のみ測定対象に電圧を印加するトリガ同期信号出力機能、4端子測定において4端子が全て接続されているかどうかを確認するコンタクトチェック機能、測定治具やケーブルによる測定誤差を取り除くためのオープン、ショート補正機能などを備える。

Windows対応のデバイスドライバAPI-ZM(WDM)を用意し、同社Webサイトで提供。Windowsの各アプリケーションが作成できるという。ハードウェアの動作確認ができる診断プログラムも提供する。