財務・会計システムや経営情報サービスの開発・販売を行うミロク情報サービス(MJS)は、12月13日発行のニュースレターにおいて、「2025年の崖」と呼ばれる課題に直面する中小企業に向け、DX推進の重要性を提言した。

「2025年の崖」とは、企業のDX推進が滞った場合、業務効率・競争力の低下により2025年から年間で現在の約3倍、約12兆円もの経済損失が発生するとされる問題のこと。

情報処理推進機構調査による「DX動向2024」によると、DXに取組んでいる企業の状況を従業員規模別に見た場合、大企業(1,001人以上)のDX推進率は96.6%である一方で、小規模企業(100人以下)は44.7%と2倍以上の差が生じており、資金や人材が限られる中小企業は大企業と比べてDXの取り組みが遅れている状況だ。

  • 出典:「DX動向 2024」(情報処理推進機構調査)

    出典:「DX動向 2024」(情報処理推進機構調査)

また、帝国データバンクの調査によると、2024年の「人手不足倒産」は10月時点で287件に達し、前年(260件)を上回り過去最多を更新。このうち、従業員数10人未満の企業が8割近くにのぼり、今後も小規模事業者を中心に人材の確保・定着が難しくなることが予想されているという。

「団塊の世代」の多くが75歳以上の後期高齢者となり、労働力不足を含むさまざまな課題が懸念される「2025年問題」においては、規模が小さい会社であるほど、人手不足の影響を大きく受ける可能性が高い。「人がいない」「お金が無い」とDXへ取り組みを後回しにするのではなく、スモールステップでDXに取り組み、製品やサービス、ビジネスモデルを変革することが重要で、さらにITを活用して業務効率を向上させ、プロセス全体を最適化することが不可欠であるとMJSは指摘した。

  • 出典:「人手不足に対する企業の動向調査(2024年10月)」(帝国データバンク)

    出典:「人手不足に対する企業の動向調査(2024年10月)」(帝国データバンク)

中小企業におけるDXの取り組みに関する導入事例として、福留ハム(人員349名)では、自社の基幹システムが古く、データ連携が困難であったほか、紙ベースの業務が中心で申請・承認作業が煩雑化し、さらにインボイス制度や改正電帳法などの法改正対応も求められている状態であったという。

MJSのERPシステム「Galileopt DX」を導入することで一元管理が可能となり、手入力作業を大幅に削減。これによりペーパーレス化を実現し、承認中の状況確認も簡単に行えるようになった。また、法改正に対応したシステムのため、業務ミスを防ぎながら効率的に取り組むことが可能になったということだ。

また、イズラシ(人員127名)では、手入力とデータ入力が同時進行していたため作業が煩雑化し、担当者が常に時間に追われる状況にあった。また、社内データの一元化が進んでおらず、新たに始まるインボイス制度への対応についても不安を抱えていたという。

導入後は、総務課全体の業務が効率化され、手間と時間が大幅に削減されたという。また、インボイス制度に対応したシステムを導入することで、制度対応への不安を解消したのに加え、手書き帳簿が不要となり、紙のコストや管理の煩わしさも削減されたということだ。