三菱ふそうトラック・バス(MFTBC)と山梨大学は12月3日、水素・燃料電池分野の研究開発や研修を中心に、複数事業を今後実施していくと発表。産学連携による人材育成・イノベーションの促進を通じて、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた技術開発と人材育成に取り組む。

  • (左から)三菱ふそうトラック・バスの松永和夫会長、山梨大学の中村和彦学長

MFTBCと山梨大は、研究開発や人材交流、教育・研修の機会の共有に関する包括的連携協定を12月2日付で締結。水素燃料電池の利活用に関する共同研究・技術指導を行い、山梨大学の学生・研究者の育成にも取り組んでいく。

  • MFTBCと山梨大による、包括的連携協定締結式の様子

具体的な取り組み内容は以下の通り。

1.研究開発

  • 燃料電池自動車の社会実装に向けた取り組みに関する情報共有・啓発活動
  • ゼロエミッション車両に関する知見の共有と、燃料電池の課題発掘

2.人材交流

  • 共同研究による両者間の人材派遣
  • 山梨大学学生のMFTBCインターンシップへの参加
  • MFTBCの研究者・技術者が、山梨大学の水素・燃料電池ナノ材料開発センターで研修

3.教育・研究機会の共有

  • 研究・評価設備の共同利用
  • MFTBC社員が非常勤講師として、山梨大学の学生・大学院生へ講義を実施
  • MFTBC社員と山梨大学大学院生・若手研究者との間でのワークショップ開催による、キャリア形成や学術研究への支援

4.その他の分野

MFTBCは、2039年までに国内の新車ラインナップをカーボンニュートラル化することを目標とし、電気小型トラック「eCanter」(2017年発売)をはじめとするバッテリー電気自動車(EV)や、水素・燃料電池関連技術の開発を進めている。

山梨大学は「クリーンエネルギー研究センター」と「水素・燃料電池ナノ材料研究センター」において、水素・燃料電池の本格的普及をめざし、高性能・高信頼性・低コストを実現する基礎技術を開発中。