盛岡市とNECは12月2日、自治体業務における生成AIの活用に向けて覚書を締結し、11月から盛岡市役所の一部の部門で活用検証を開始したことを発表した。
取り組みの背景
盛岡市では、2021年度から2025年度までを計画期間とする「盛岡市行政デジタル・トランスフォーメーション推進計画」を策定。
「デジタル技術のチカラで、市民の多様なライフスタイルに寄り添う、徹底的に便利な市役所」の実現を目指し、デジタル技術やデータを活用した市民の利便性向上と行政事務の効率化を行っている。
今回の取り組みは、生成AIを用いることで職員の業務効率化を図るものだが、生成AIにはハルシネーションと呼ばれる正確性や信頼性の問題があり、特に専門性の高い業務においては活用が難しいとされている。
これらの課題を解決するため、専門的な業務に適応させた生成AIシステムを構築する取り組みが求められており、今回はその一環として、盛岡市と共同で自治体行政分野に特化した生成AIの実証を行う。
実証の概要
今回の実証では、NEC開発の生成AI「cotomi」を用いて、盛岡市の保有する業務データを活用するシステムを構成し、盛岡市役所の情報企画課と会計課、職員課で活用することで、職員の業務効率化を目指す。
実証の対象業務は、情報企画課がシステムに関係する問い合わせ対応、会計課が会計に関係する問い合わせ対応、職員課が福利厚生に関係する問い合わせ対応となっている。
LLM(大規模言語モデル)とRAGと呼ばれる文書検索技術を組み合わせた手法を用いたシステムに、盛岡市の業務データを学習させることで、情報企画課のシステムに関係する問い合わせ対応、会計課の会計に関係する問い合わせ対応、職員課の福利厚生に関係する問い合わせ対応の業務を対象に自治体業務に特化した生成AIの活用を検証する。