Elon Musk(イーロン・マスク)氏がOpenAIとマイクロソフト、そしてOpenAIの共同創設者らを相手取り、反競争的行為の差し止めを求める仮処分を申請した。同氏は、OpenAIが設立時に掲げた非営利の約束を放棄し、営利企業化を進めていると主張している。

完全な営利企業を目指すOpenAI

マスク氏は11月29日、カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所に訴状を提出した。OpenAI、同社を共同創業したCEOのSam Altman(サム・アルトマン)氏、社長のGreg Brockman氏、Microsoft、元取締役を務めたReid Hoffman氏が被告となっている。

申し立てでは、非営利の構造を持つOpenAIを営利企業へ転換し「OpenAIおよびその子会社、または関連会社が所有、保有、または管理する知的財産を含む重要な資産を移管している」と主張。

また、マスク氏が設立したAI企業のxAIをはじめとした競合他社への投資を妨害したこと、Microsoftを通じて不当に競争上機密性の高い情報を入手したことなどを強調している。

同氏の弁護士は「差し止めが認められなければ、取り返しのつかない損害が生じる。OpenAIの非営利的性格を維持し、利益相反を防ぐためには差し止めが唯一の適切な救済措置である」としている。

OpenAIは2015年に非営利組織として設立され、2019年には非営利組織が営利子会社を統治する「利益上限型」企業に転換、先日に完全な営利企業を目指すと発表している。非営利部門は別組織として維持される見込みだ。マスク氏はOpenAIを共同創業したが2018年に取締役を退任している。TechCrunchが11月30日付けで報じている。