NECは11月21日、小型で幅広い用途へ展開可能な顔・虹彩マルチモーダル生体認証技術を開発したことを発表した。新技術により、既存のPCやタブレット端末にカメラモジュールを接続するだけで、数千万人規模の認証を屋内外問わず高速かつ高精度に実現できる。
今後は、金融、リテール、エンターテイメント業界の決済、入退管理などの用途を見据えて、2026年内の提供を目指す。
新たな生体認証技術の特徴
NECは2023年、顔認証用と虹彩認証用の各カメラを搭載し、処理用のCPUや表示画面も含めた顔・虹彩マルチモーダル生体認証ソリューションを専用端末として提供を開始した。
今回、同一人物の高品質と低品質の画像を複数セット用意し学習することで、高品質画像から抽出できる虹彩の特徴量を低品質画像からでも推定可能な技術を開発した。
同技術を用いることで、顔認証用のカメラで撮影したノイズを多く含む低解像度の画像でも虹彩認証が可能となっている。
同技術により、1台のカメラで撮影した画像で顔・虹彩の両方の認証が可能であり、利用者の目の位置に合わせたカメラの位置調整を不要とすることで、高速な認証を実現する。
また小型なカメラモジュールにより、POSレジやATMなどへの組み込みのほか、タブレット端末などへ取り付けて持ち運ぶことができるようになり、屋内外問わずより幅広い用途で顔・虹彩マルチモーダル生体認証の導入を可能にする。