米Ciscoは11月11日~14日(現地時間)の期間でオーストラリア・メルボルンでイベント「Cisco Live! Melbourne」を開催。日本法人のシスコシステムズは11月21日、記者説明会を開き、同イベントで発表されたワイヤレスを中心とした最新ネットワーキング製品や開発の戦略を紹介した。
Ciscoは12日、インテリジェントでセキュア、アシュアランスを搭載したコンバージド Wi-Fi 7 アクセスポイント「Cisco Wi-Fi 7アクセスポイント」と、設定なしでスマートスペースを実現できる統合サブスクリプション ライセンスを発表した。Cisco Wi-Fi 7アクセスポイントは12月に提供開始される予定だ。
記者説明会に登壇したシスコシステムズ 執行役員 ネットワーキング事業担当の高橋敦氏は「Cisco Wi-Fi 7アクセスポイントは単なるアップグレードではなく、ワイヤレスネットワークの可能性を根本から再考した製品だ。シスコの開発部門の総力を結集している」と切り出した。
新たなCisco Wi-Fi 7アクセスポイントはあらゆる場所の顧客に最新のワイヤレス規格を提供する。また、AIネイティブのパフォーマンス最適化機能、そしてすぐに利用開始できる自己設定機能が搭載されている。アクセスポイントは世界中で使用でき、接続されると場所を自動で検出する。
さらに、スマートワークプレイスを構築するための「Cisco Spaces」プラットフォームへのアクセスがサブスクリプションライセンスに追加され、顧客はワークスペースをスマートスペースに変えるOSを手に入れることができる。
「例えば、医療器具をリアルタイムかつ高精度でトレースする病院や、 オープンローミングでWi-Fi接続をすると適切な通知を自動送信する小売店、 追加のアプリケーションをダウンロードする必要なく従業員を空いている会議室やデスクにシームレスに誘導できるオフィスビルなど、数多くのユースケースが想定される。すでに多くの日本企業から問い合わせがきている状況だ」と、高橋氏はCisco Spacesの具体例を示した。
また同社のWi-Fi 7製品は、業界で最も高度な脅威検出機能を搭載しているといい、AIネイティブのデバイスプロファイリング、脅威防御、高度なワイヤレスセキュリティおよびデータ暗号化により、あらゆる接続を安全に保護できるとのこと。
具体的には「CW9176」「CW9178」という2モデル3機種を市場投入する。指向性アンテナのモデルも展開する。「世界中のどこでも機能する単一の製品モデルだ。ライセンス体系もシンプルで、クラウドやオンプレミス、ハイブリッドといったどのような管理体系においても、1つの製品型番、1つのライセンス、1つのサポートモデルで対応できる。またシスコが有するあらゆるポートフォリオに自動的かつシームレスにも対応できる」(高橋氏)
加えて、トラブルシューティングソリューション「Cisco ThousandEyes」により、顧客はAIと自動化機能を活用し、ワイヤレスネットワーク、自社所有ネットワーク、自社で所有しないネットワーク全体でパフォーマンスのボトルネックを特定して解消できる。
Cisco ThousandEyes事業担当のジョー・バッカーロ氏は「レジリエントなエクスペリエンスには確実な接続が必要だ。データとAIによる継続的なインテリジェンスと自動化を提供することで、Ciscoのプラットフォーム全体におけるアシュアランスを確保する」と強調した。